きょうはリスク回避目的の売りが優勢の流れとなった。前日の米国株市場ではNYダウは小幅プラス圏で着地したものの、ナスダック総合株価指数が2%あまりの下げをみせたことで、市場センチメントが悪化した。米国では主力銘柄の決算悪が嫌気されたが、米長期金利の低下が株価下支え効果をもたらしている。ただ、日米金利差縮小を背景に外国為替市場ではドルが売られ、円高方向に急速に振れたことが東京市場ではマイナス材料として作用した。一方、米株価指数先物が堅調な動きをみせたことから、日経平均は下値抵抗力も発揮した。
東京外国為替市場で1ドル=145円台前半まで円高・ドル安が進み、トヨタなど主力の輸出関連株が売りに押された。米金利の低下で銀行株も軟調だった。日経平均は足元で上昇基調にあったため、利益確定売りも出やすかった。
半面、米株価指数先物が堅調に推移したため、日経平均の下値は限られた。短期資金による日経平均への寄与度の高い銘柄への買いも継続し、午前には小幅ながら上げに転じる場面もあった。午後は相場の強弱感が拮抗するなか、米アップルなどの決算発表を見極めたいとの雰囲気もあって、積極的な売買は手控えられた。
市場では「メタ(旧フェイスブック)やマイクロソフトなどの決算が振るわず、米企業決算への警戒感が高まり、日本株も見送りムード包まれた」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)も4営業日ぶりに反落し、12.65ポイント(0.66%)安の1905.56で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆6894億円。売買高は10億7864万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1273と、全体の約7割を占めた。値上がりは484、変わらずは80銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では銀行業、海運業、繊維製品などが下落。鉱業、電気・ガス業、機械などは上昇した。