前日の欧米株高を受け売り方の買い戻しを絡め上昇基調を強める展開となった。
欧米など主要先進国で経済活動再開への動きが強まり、政府や中央銀行による景気刺激策への期待からこれまで売り込まれていた鉄鋼株が戻り足を強めたほか、メガバンクなど銀行セクターへの買いも続き、全体相場を押し上げた。
国内要因では政府が2020年度第2次補正予算案を決めたことが投資心理の改善を促し、2月27日以来、約3カ月ぶりの高値となった。上げ幅は一時500円を超えた。
欧州で経済下支えのための基金を創設する計画が打ち出された。米連邦準備理事会(FRB)が金利を低く抑える方策の検討を始めたと伝わった。欧米で景気刺激策が相次いで議論されていることで経済活動の再開への期待感が高まった。日本政府は一般会計歳出などの「真水」で33兆円を用意して企業支援を進める方針で、投資家の安心感を誘った。
これまで売りに回っていた短期筋の買い戻しが急速に入ったことで、市場で節目とされてきた200日移動平均線(2万1655円)を超えてもなお上昇。出遅れ銘柄の物色が強まったほか、新規の買い持ちが始まったとの指摘も市場の一角で聞かれた。
中国の全国人民代表大会(全人代)で香港国家安全法の策定方針が採択される見込みとあって米中関係の悪化懸念がくすぶり、午後は上げ幅を縮める場面もあった。
JPX日経インデックス400は4日続伸。終値は前日比262.29ポイント高の1万4195.52だった。東証株価指数(TOPIX)も4日続伸で、27.87ポイント高の1577.34で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆3816億円で、3兆円を超えたのは4月30日以来。
金額としては3月27日(3兆9093億円)以来の大きさだった。売買高は20億8753万株。東証1部の値上がり銘柄数は1530と、全体の7割を占めた。値下がりは583、変わらずは53銘柄だった。