21日の米株式市場でNYダウ平均は45.41ドル安と小幅反落した。新型コロナ感染拡大に伴う中国各地での都市封鎖再開を嫌気し売りが先行。連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派継続姿勢も重石となった。一方、サンフランシスコ連銀・デーリー総裁が行き過ぎた利上げに懸念を示したことが投資家心理を改善させ、引けにかけては下げ幅を縮小した。
外国為替市場で円相場が1ドル=141円台後半まで円安・ドル高になり、企業収益が改善するとの期待からトヨタなど輸出関連を中心に幅広い銘柄が買われた。日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。
ただ相場の上値は限られた。23日は東京株式市場が勤労感謝の日で休場となる。日本時間24日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(1〜2日開催分)の公表を控えており、22日午後は様子見ムードも漂った。
アジア市況が軟調な中、買い上がる向きは少なく、その後は膠着感の強い動きが続いた。後場は見送りムードが強まるなか引けにかけて上げ幅を縮める展開となった。
東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、22.18ポイント(1.12%)高の1994.75と、8月17日以来およそ3カ月ぶりの高値を付けた。大型株が買いを集め、TOPIXコア30が1.3%高となった。
株価指数先物に短期取引の買いが入り、現物株買いに波及した面もあった。相場の流れに乗る商品投資顧問(CTA)や経済情勢などを考慮するグローバルマクロ戦略型のヘッジファンドが先物に買いを入れたとの指摘があった。一方、「国内外の中長期志向の機関投資家が大きく持ち高を傾ける動きは限られた」との声が出ていた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆9231億円。売買高は12億428万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1467と、全体の約8割を占めた。値下がりは325、変わらずは44銘柄だった。