前日の米株式市場では、NYダウがアフガニスタン情勢への警戒感もあり192ドル安と5日ぶりに反落した。これを受け、東京市場も値を下げてスタート。
米連邦準備理事会(FRB)による早期のテーパリング(量的金融緩和の縮小)観測などで米株高が前日に一服し、東京株式市場でも投資家は運用リスクをとりにくくなった。下げ幅を朝方に一時260円まで広げたが、日本時間夜にパウエルFRB議長の講演を控えており、次第に様子見ムードが広がった。
ただ、下値には買いが入り売り一巡後は下げ渋った。今晩はジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演を行う予定であり、その結果を確かめたいと後場にかけ模様眺め気分も強まった。
市場では、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないなかでの早期のテーパリングが景気に与える悪影響を懸念する声が聞かれた。
アフガニスタンの首都カブールの国際空港の周辺で26日に自爆テロが発生し、地政学リスクが改めて意識されたことも投資家心理を下向かせた。
「全般は見送りムードだ。FRB議長の講演を控えて動きづらく、コロナ問題や政局などの不透明要因もあり、上値は追いにくい。もっとも、下がれば買いが入ってくるようで、当面は値固めか」との声が聞かれた。
日本国内に目を移しても「緊急事態宣言の対象地域拡大や、自民党総裁選を含む政治をめぐる不透明感など、投資家が買いに慎重になる材料が多い」との指摘があった。
東証株価指数(TOPIX)は続落し、6.58ポイント安の1928.77で終えた。JPX日経インデックス400は5営業日ぶりに反落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆1135億円。売買高は8億6985万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1175、値上がりは880、変わらずは134だった。