きょうの東京株式市場はリスク回避の売り姿勢が強まった。米国の通商政策に対する警戒感は米国株市場よりも東京市場の方に色濃く反映された。
8月のISM製造業景況感指数が市場予想を上回ったことで、為替市場でドル買いの動きが強まり、一時1ドル=111円台後半まで円安が進んだものの、これを好感する動きは限定的だった。
午前発表の8月の中国・財新非製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月から低下し、中国・上海株や香港株が午後にかけて下げ足を速めた。東京市場でも中国関連株が一段安となった。台風21号による関西国際空港の閉鎖を受け、インバウンド(訪日外国人)関連銘柄が下落したのも、投資家心理を悪化させた
新興国通貨安が進んでいることを警戒する動きが出たほか、中国・上海株市場や香港市場の下落が買い手控えムードを助長する格好となった。
JPX日経インデックス400は5日続落した。終値は前日比122.96ポイント安の1万5072.30だった。東証株価指数(TOPIX)も5日続落し、13.28ポイント安の1704.96で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2644億円。売買高は12億3444万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1297、値上がりは701、変わらずは107だった。
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、輸送用機器、電気機器などが下落し、金属製品、パルプ・紙、鉱業は上昇した。
個別では、売買代金首位のソフトバンクグループが水準を大きく切り下げたほか、資生堂、コーセーなど化粧品株も大幅安。コマツが売られ、キーエンスも安い。TATERUは3日連続のストップ安で売り物を残した。アルヒが急落、カチタスも大幅に下落、ビジョン、プレサンスコーポレーションなども値を下げた。東エレクと京セラも下げ、日立とブリヂストンは年初来安値を更新した。
半面、ファーストリテイリングが大幅高、ペッパーフードサービスも値を飛ばし値上がり率トップ。アダストリアが急伸、enish、ユナイテッドアローズも商いを伴い大きく上値を伸ばした。アトラエ、名村造船所が高く、TOKYO BASE、宮地エンジニアリンググループの上げ足も目立った。ヤマハとスズキは高く、JR東日本とカシオも上げた。
東証2部株価指数は前日比53.81ポイント安の7169.08ポイントと3日続落した。値上がり銘柄数は155、値下がり銘柄数は268となった。
個別では、JESCOホールディングス、ブルボン、アスモ、日本食品化工、ダイハツディーゼルなど15銘柄が年初来安値を更新。ショーエイコーポレーション、パシフィックネット、ヒガシトゥエンティワン、東洋刃物、日本モーゲージサービスが売られた。
一方、アウンコンサルティングがストップ高。カンロ、チャーム・ケア・コーポレーション、南陽、ビケンテクノなど5銘柄は年初来高値を更新。テルモとリクルート,スマートバリュー、パス、Casa、オリジナル設計、クロスプラスが買われた。