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【大引け概況】


9日の日経平均株価は3営業日ぶりに大幅反発し、前日比799円47銭(1.96%)高の4万1580円17銭で終えた。4日以来3営業日ぶりに過去最高値を更新し、初めて4万1000円台に乗せた。

 
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きょうは日経225先物主導でリスクオンが加速した。前日の米国株市場でハイテク株中心に買われ、ナスダック総合株価指数とS&P500指数が史上最高値を更新、この流れが東京市場にも波及した。米国株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値を更新しており、これを受け日経平均寄与度の高い半導体製造装置大手が軒並み値を飛ばし、全体相場を押し上げた。取引時間中は外国為替市場でドルが買われ、一時1ドル=161円台と円安水準で推移したこともハイテク株中心にポジティブに作用した。週末にオプションSQ算出を控え、空売り筋の損失覚悟の買い戻しが指数押し上げ要因となった面もあるようだ。
 
上場投資信託(ETF)の分配金捻出に絡んだ売りが出るとの見方が広がるなか、売り持ち高を構築していた投機筋が株価指数先物への買い戻しを迫られていることも上昇に弾みをつけたようだ。ただ、市場関係者は「ETFの分配金支払い後はETFを保有する国内銀行が運用収益を確保するために利益確定売りを出す傾向にあり、8月上旬まで日経平均が軟調になりやすい点には注意したい」と話していた。
 
明日のTOPIXの売り需要に向かう形でファンドによる資金流入の動きとなれば、一段の上昇が期待されてくるだろう。一方、米国ではパウエルFRB議長の議会証言が予定されている。おおむね、「インフレ抑制に自信を持てるまで政策金利を据え置くとの認識が示される」と想定する向きが大半だが、利下げのタイミングについて何らかの示唆があるかにも注目したいところだろう。

 
 
 
TOPIXは3営業日ぶりに反発した。終値は27.94ポイント高の2895.55だった。取引時間中には2907.21まで上昇し、5日に付けた取引時間中の高値(2906.80)を上回る場面があった。JPXプライム150指数は3営業日ぶりに反発し、19.96ポイント高の1287.03と算出来の高値で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆4725億円、売買高は17億997万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1098。値下がりは472、横ばいは74だった。
 
業種別では、電気機器、非鉄金属、精密機器、情報・通信業、化学などが上昇した一方、海運業、鉱業、銀行業、石油・石炭製品、ゴム製品などが下落した。
 
 
個別では、米特殊ガラス企業のコーニングが4-6月期業績見通しを上方修正したことが材料視されて、フジクラ、古河電工が買われた。ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREENホールディングスなど半導体製造装置関連が人気。ソフトバンクグループが活況高となり、日立製作所も買われた。ファーストリテイリングが値を上げ、キーエンスも高い。ウェザーニューズが値上がり率トップに買われ、フジクラが急騰、レゾナック・ホールディングスも大幅高。デサント、日本ヒュームも高い。旭化成、協和キリン、ファナックが買われた。
 
半面、売買代金トップの三菱重工業は利益確定売りに押され、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも冴えない。トヨタ自動車、SUBARU、マツダ、日産自、ホンダ、三菱自動車など自動車関連が売られた。ソシオネクストも売りが優勢だった。U-NEXT HOLDINGSが急落、ウエルシアホールディングス、三井松島ホールディングスも大幅安。SGホールディングスの下げも目立った。このほか、デンカ、横浜ゴム、日立建機がさえない。