きょうは日経225先物主導でリスクオンが加速した。前日の米国株市場でハイテク株中心に買われ、ナスダック総合株価指数とS&P500指数が史上最高値を更新、この流れが東京市場にも波及した。米国株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値を更新しており、これを受け日経平均寄与度の高い半導体製造装置大手が軒並み値を飛ばし、全体相場を押し上げた。取引時間中は外国為替市場でドルが買われ、一時1ドル=161円台と円安水準で推移したこともハイテク株中心にポジティブに作用した。週末にオプションSQ算出を控え、空売り筋の損失覚悟の買い戻しが指数押し上げ要因となった面もあるようだ。
上場投資信託(ETF)の分配金捻出に絡んだ売りが出るとの見方が広がるなか、売り持ち高を構築していた投機筋が株価指数先物への買い戻しを迫られていることも上昇に弾みをつけたようだ。ただ、市場関係者は「ETFの分配金支払い後はETFを保有する国内銀行が運用収益を確保するために利益確定売りを出す傾向にあり、8月上旬まで日経平均が軟調になりやすい点には注意したい」と話していた。
明日のTOPIXの売り需要に向かう形でファンドによる資金流入の動きとなれば、一段の上昇が期待されてくるだろう。一方、米国ではパウエルFRB議長の議会証言が予定されている。おおむね、「インフレ抑制に自信を持てるまで政策金利を据え置くとの認識が示される」と想定する向きが大半だが、利下げのタイミングについて何らかの示唆があるかにも注目したいところだろう。