きょうは朝方からリスク選好ムードが漂っていた。前日の東京株式市場は休場だったが、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合指数、S&P500指数が揃って最高値更新を続けており、相対的に出遅れ感の強い日本株を買い戻す動きが強まった。
注目されたFOMCはFRBがテーパリングの開始を決定したものの、利上げには慎重な姿勢を崩さなかったことで、市場に安心感が広がった。日経平均は朝方に350円超高となる場面があった。
ただ、買い一巡後は日経平均の上値の重さも顕在化した。主要企業の決算発表が本格化するなか、好決算でも市場コンセンサスに届かないケースでは売られる銘柄も少なくなく、警戒ムードも漂う。注目のトヨタは好決算発表も売り買いが交錯した。
取引時間中に発表された企業決算に絡んだ売買など、個別銘柄への選別色が強かった。きょう昼休みに決算を発表した郵船は年間配当計画を上方修正したものの、物足りないとの見方などから後場に急落した。2022年3月期の連結営業利益を上方修正したトヨタは株式分割考慮後の上場来高値を更新した。
市場では「半導体不足による個別決算への影響が懸念されるものの、半導体業界の先行き見通しを注意深く見守りたい」との声が聞かれた。
「日経平均が3万円に近づくと、国内の機関投資家を中心に利益確定などの売りが出やすい」との声も聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発した。東証株価指数(TOPIX)も反発し、終値は23.89ポイント高の2055.56と9月28日以来約1カ月ぶりの高値となった。
東証1部の売買代金は概算で3兆6854億円。売買高は14億8277万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1571と、全体の約7割を占めた。値下がりは551、変わらずは61銘柄だった。