日経平均が朝安後に一貫して戻り足をみせた。
前日の米国株市場では、トランプ米大統領が来週にも中国からの輸入製品2000億ドル相当に追加関税を発動する考えであることが伝わり、NYダウなど主要指数が5日ぶりに反落、外国為替市場でも1ドル=111円を割り込む円高に振れるなど、リスク回避ムードとなった。
日経平均は前日まで8日続伸していたこともあって利益確定売りを誘発、朝方に200円近い下げをみせ2万2700円台を下回る場面もあった。
週末とあって下値を売り込む動きは限られた。上海などアジアの新興国株の底堅さも安心感を誘い、後場は株価指数先物に買い戻しが入った。
市場からは「基本的に日経平均は強い。米中通商問題への警戒感はあるが、バリュエーション面で安すぎであり、下を売るほどでもない。ただ、東証株価指数(TOPIX)が上がってこないと、全体的に上は難しい」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前日比27.46ポイント安の1万5332.17だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、3.79ポイント安の1735.35で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆4085億円、売買高は13億302万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1253、値上がりは736、変わらずは115銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)は輸送用機器、電気機器、銀行業などが下落し、情報・通信業、医薬品、サービス業は上昇した。
個別では、ソフトバンクグループが堅調、ファーストリテイリングもしっかり。武田薬品工業、エーザイ、テルモ、TDKが高い。フォスター電機が値を飛ばしたほか、ラクーンも大幅高。SBIホールディングスが物色人気となり、東京個別指導学院も上値追い。スクウェア・エニックス・ホールディングスも大きく買われた。エイチ・アイ・エスも上昇した。
半面、トヨタ自動車やホンダが軟調、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも下値を探る展開に。ファナック、東京エレクトロンや信越化といった半導体関連株が下落。オルトプラスがストップ安に売られ、スルガ銀行も大きく下落した。サイボウズ、コジマが安く、日本化学工業も売りに押された。
東証2部株価指数は前日比19.22ポイント高の7261.48ポイントと6日続伸した。
出来高7335万株。値上がり銘柄数は206、値下がり銘柄数は226となった。
個別ではアウンコンサルティングが一時ストップ高と値を飛ばした。田岡化学工業、キョウデン、パルステック工業、日本モーゲージサービス、安楽亭など6銘柄は年初来高値を更新。パシフィックネット、カンロ、東洋テック、アートスパークホールディングス、プレミアムウォーターホールディングスが買われた。
一方、セイヒョー、ダイサン、西川ゴム工業、ヤギ、ジェコーなど6銘柄が年初来安値を更新。省電舎ホールディングス、Jトラスト、中北製作所、岡山県貨物運送、アクロディアが売られた。