前日15日まで連日でバブル経済崩壊後の高値を更新し、33年11カ月ぶりの高水準で推移するなか、高値警戒感から主力株を中心に利益確定売りが優勢だった。
前引けにかけていったん下げ渋ったが、後場に売り直された。特に売り材料が発現したわけではないものの、前日までの日経平均大幅上昇の反動が出た形。前日の米国株市場がキング牧師の誕生日で休場だったことで手掛かり材料に乏しいなか、高値警戒感から保有株のポジションを調整する動きが目立った。ただ、外国為替市場では円安が進行しており、これが全体相場の下支え要因となっている。
日経平均は前日までの6日続伸で上げ幅が2600円を超えていた。日経平均構成銘柄の値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割った騰落レシオ(25日移動平均)が15日時点で135.11%と「買われすぎ」の目安とされる120%を上回るなど、相場の過熱感を示す指標が増えていることも売りを促した。ただ市場では「スピード調整の範囲内にすぎず、相場の先高観は強い」との声も聞かれ、下値模索の動きは限られた。
東京証券取引所は15日、2023年12月末までにプライム企業の4割が「資本コストや株価を意識した経営」に関する改善策を開示したと発表した。未対応の企業には株主から改善への圧力がかかる可能性があり、資本効率の改善期待が海外投資家の買いを誘った。日経平均はプラス圏で推移する場面もあった。
市場では「先日、中国・上海などに出張に行ったが、中国本土の投資家は自国の株式や経済に慎重になっていることもあり、企業統治(ガバナンス)改革などが進む日本株や日本経済への関心を思った以上に高めていた」との声が聞かれた。
米主要メディアは15日、11月の米大統領選を戦う共和党の候補者指名争いの初戦となる中西部アイオワ州党員集会でトランプ前大統領が勝利したと報じた。もっとも米大統領選の前哨戦とあって材料視する向きは少なく、相場への影響は限定的だった。
日経平均株価は7営業日ぶりに反落したが、当然の一服と受け止める向きが多い。また、今月30日に国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを発表する予定で、市場からは「日本の成長率見通しが上方修正される可能性があり、海外投資家の買いは当面継続するだろう」との指摘も聞かれる。また、東証が前日大引け後、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示企業一覧表を公表したが、今後、未対応企業には株主から改善圧力が強まる可能性が高く、これが資本効率の改善期待につながり、海外勢の買いを誘う要因につながるとみる向きもいた。