主力株を中心にリスクを取る動きが優勢で、寄り後も漸次株価水準を切り上げ、前場中ごろには3万8000円台半ばまで上値を伸ばす場面があった。取引時間中に為替市場ではドル買い・円売りの動きが強まったことが追い風となったという見方も出ていた。米国ではFRBが前週のFOMCで0.5%の大幅利下げを決めたほか、パウエルFRB議長もハト派的なコメントで米経済のソフトランディング期待が高まっている。
これを受けて東京株式市場でもセンチメント改善が進んでいるが、今週末に自民党総裁選を控え、買い一巡後は模様眺めムードも漂う展開に。業種別では33業種中26業種が上昇したが、後場の日経平均は上値の重い地合いで、結局200円強の上昇にとどまり、3万8000円台を下回る水準で着地している。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均が連日で最高値を更新したことや、外国為替市場での円安・ドル高進行を手掛かりにした買いが優勢だった。
東京株式市場でもリスク許容度が高まった海外投資家による主力株や株価指数先物への買いが目立ち、日経平均は取引時間中として約3週間ぶりに心理的節目の3万8000円を上回り、上げ幅は700円を超える場面があった。
日銀の植田和男総裁が、政策判断について再度「時間的な余裕はある」と発言したことが伝わり、外国為替市場で円相場が1ドル=144円台前半まで下落した。市場では「日銀会合後の20日の記者会見での発言とさほど変わりはないものの、好感した株買いにつながった」との声が聞かれた。中国当局が24日、追加の金融緩和策を相次いで発表し、上海総合指数や香港のハンセン指数が急伸したことも投資家心理を支えた。
日経平均は前週末までの3営業日で約1500円上昇していたため、短期的な過熱を警戒した利益確定目的の売りに押されて伸び悩んだ。
市場では「中銀イベントの通過で新規の材料に乏しい中、上昇ペースが速かったこともあって3万8000円を超えると跳ね返される」との声が聞かれた。
米国株高や円安進行以外新たな手掛かり材料に欠けるほか、けん引役と期待される半導体関連は、東エレク、レーザーテック、ディスコなど指数寄与度の大きい値がさ株が軟調なだけに相場の足を引っ張っている状況だ。積極的な上値追いは限られるなか、日経平均の3万8000円を挟んだ膠着が続きそうだ。