中東の地政学リスクに対する警戒感が和らぎ、運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが続いた。
前日の米株式相場の上昇や外国為替市場での円安・ドル高も支えに堅調さを保った。
電子部品など輸出関連株を中心に買い戻しが入った。ただ、3連休を控えた週末とあって持ち高整理の売りも出やすかったが、積極的に上値を追う雰囲気はうかがえず、午後は取引が細った。
年初から波乱のスタートとなった金融・資本市場が足元で落ち着きの兆しを見せるなか、設備投資関連や半導体関連など業績の底入れ・回復期待のある銘柄を選別する動きがみられた。ただ、9日に2020年8月期の通期業績予想を下方修正したファストリに売りが膨らみ、相場全体の重荷になった。
市場では「米国とイランの対立激化に対する懸念は急速に後退したが、新たに株式を買う材料が出てきたわけではない」との指摘があった。
「下値では押し目買いが入り、円に近付くと売りが出てくるのが確認できた。上にも下にも行きづらい感じだが、これからは米日決算に関心が移ってくる」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前日比62.81ポイント高の1万5518.71だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、6.11ポイント高の1735.16で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1678億円。売買高は10億9160万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は977、値下がりは1076、変わらずは107銘柄だった。