朝方は気迷いムードで方向感のつかみにくい地合いだった。前日に日経平均株価は先物主導で800円近い下げをみせていたこともあり、買い戻しが期待されたが、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下値模索の展開を続けたこともあって強弱観が対立した。前日の米株安を受け、リスク回避姿勢を強めた投資家の売りが先行した。ほどなく上昇に転じたものの、中国人民銀行(中央銀行)が2カ月連続で実質的な政策金利の引き下げを発表すると、材料出尽くしとみた売りが出た。中国経済の減速感が意識されたとの見方もあった。下げ幅は一時240円を超えた。
ただ、前場後半を境に上値指向に変わった。中国人民銀行が政策金利の引き下げを発表し、これを受けて香港株などが買われ、市場のセンチメントが改善した。また、米株価指数先物が堅調に推移するのを横目に先物を絡めたインデックス買いが入り、全体を押し上げた。後場は一時上げ幅が400円を超えたが、大引けにかけて戻り売りに押された。
日経平均先物にも短期筋の買いが入り、指数を押し上げた。アジア株式市場では上海や香港などの指数が高く推移したことも、日本株の支援材料となった。前日に大きく下げたソニーGが5%超高となったほか、トヨタやソフトバンクグループといった主力大型株の一角が買われた。
JPX日経インデックス400は3日ぶりに反発した。東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反発し、終値は18.81ポイント高の1938.53で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆1657億円。売買高は12億8247万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1559と、全体の約7割を占めた。値下がりは539、変わらずは86銘柄だった。