きょうの東京株式市場はリスクオン一色に染まった。前日までの7営業日で3000円以上の下落をみせていたこともあり、足もとで空売り筋の買い戻しやリバウンドを見込んだ押し目買いが優勢となり、全体相場を押し上げた。前日の米国株市場では8月の米消費者物価指数(CPI)でコア指数の伸びが加速したことを嫌気して、午前中はリスク回避ムードが強まったが、売り一巡後はエヌビディアの最高経営責任者(CEO)が11日に次世代の人工知能(AI)半導体について強気な見通しを示すなか、半導体関連株に買いが集中、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が5%近い急騰をみせるなど、取引後半は相場の流れが大きく強気に傾いた。東京株式市場もその地合いを引き継ぐ格好で東京エレクトロンをはじめ半導体セクター中心にショートカバーの動きが表面化した。
また、外国為替市場での円高進行の一服を受けたトヨタなど輸出関連株への買いも指数を押し上げた。
外国為替市場でドル安・円高が一服したことも買いを助長する背景となっている。値上がり銘柄数は全体の94%の銘柄が上昇する文字通りの全面高となった。
11日に発表した8月の米消費者物価指数(CPI)は、エネルギーと食品を除くコア指数の前月比上昇率が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)による9月の大幅な利下げ観測が後退した。外国為替市場で円相場が1ドル=142円台まで下落して円高進行に歯止めがかかり、トヨタやホンダなどの自動車株の買いを誘った。
日経平均は11日まで7日続落し3000円超下げていた。市場では「最近は3万5000円近辺で複数回跳ね返されており、相場が底入れしたとの見方が買い安心感につながった」との指摘があった。