米中貿易摩擦問題の再燃を背景にした中国株安を受けて、投資家心理が急速に冷え込んだ。
トランプ米大統領が2000億ドル分の中国製品に対する追加関税の税率引き上げを指示し、米中の通商問題への警戒感が強まった。ファナックや日立建機など中国関連や住友鉱など景気敏感株の売りが優勢だった。
国内債券市場で長期金利が1年半ぶり高水準を付けたのが材料視され、朝方は銀行や保険といった金融株への買いが相場をけん引していた。ただ日銀が午後に国債買い入れオペ(公開市場操作)の実施を通知し、長期金利が上げ幅を縮めたのを受け、金融株は次第に利益確定売りが優勢になった。
JPX日経インデックス400は反落した。終値は前日比158.14ポイント安の1万5482.91だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆7678億円。売買高は16億4242万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1509、値上がりは509、変わらずは85だった。
業種別株価指数(33業種)では、非鉄金属、海運業、鉱業、石油・石炭製品の下落が目立った。上昇は、パルプ・紙のみ。
個別では、任天堂や資生堂が安く、マツダやトヨタ自動車も軟調。前日発表した18年4〜6月期決算の内容が嫌気された古河電気工業は急落した。ソフトバンクグループ、ファーストリテイリングなども売られた。コマツ、ファナックも安い。イマジカ・ロボット ホールディングスがストップ安に売り込まれたほか、イーレックス、大塚商会、カシオ計算機なども大幅安となった。
半面、王子HDが大幅高。ソニーは小幅ながら上昇した。パナソニックが底堅く推移し、東海カーボンも頑強な動きをみせた。アイ・エス・ビーが急騰、三井ハイテックも値を飛ばした。スミダコーポレーション、スクロールも物色人気。旭化成、シャープも買われた。コムチュア、カプコンも高い。
東証2部株価指数は前日比39.85ポイント安の7348.02ポイントと反落した。
値上がり銘柄数は192、値下がり銘柄数は226となった。
個別では、いい生活、ダイナパック、西菱電機、川上塗料、東京インキなど9銘柄が年初来安値を更新。高松機械工業、サイオス、上村工業、インスペック、エムジーホームが売られた。
一方、ソルコム、カンロ、プレミアムウォーターホールディングス、あじかん、東洋刃物など6銘柄が年初来高値を更新。ビート・ホールディングス・リミテッド、川本産業、アイケイ、オリエンタルチエン工業、浜井産業が買われた。