朝方から大きく売り優勢に傾き、日経平均は後場取引中盤に370円近い下げで3万7500円台まで下げる場面もあった。
前日の米国株市場では、この日発表された1月の米消費者物価指数(CPI)が市場コンセンサスを上回る強い内容だったことから、FRBによる早期利下げ観測が後退、米長期金利上昇を背景にハイテク株中心に売られる展開となりNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに比較的大きな下げを余儀なくされた。東京株式市場では前日に日経平均が1000円超の大幅高をみせていただけに、その反動も出やすく、一時は利食い急ぎの動きが表面化しリスクオフ一色となる場面もあった。しかし、円安などを追い風に半導体関連の一角が全体相場に逆行する形で上昇したことで、日経平均も売り一巡後は下げ渋る動きとなった。
米労働省が13日発表した1月のCPIは前年同月比の上昇率が3.1%と市場予想の2.9%を上回った。市場では米連邦準備理事会(FRB)の利下げ時期は予想より後ずれするとの見方が強まり、米株式市場で主要3指数がそろって下落。米株安が東京市場でも嫌気され、幅広い銘柄が売られた。
市場関係者は、「足元の上昇があまりに急だったので、前日の米株安は利益確定売りのいい理由になった。ただ、上昇に乗り遅れた機関投資家は多く、押し目買いもかなり入った」とみていた。
日経平均は前日に節目の3万8000円を回復したこともあり、当然の一服だろう。また、下げの過程で心理的な節目の3万7500円での底堅さが意識されており、押し目買い意欲は強いと感じる投資家もおり、相場の地合いは強いと言えよう。東京株式市場の中長期的な上昇トレンドに変化はないとの見方は不変で、上値余地は依然として大きいとの見方も出ている。目先は短期的な過熱感を冷ましながら、押し目を入れるタイミングを計りたいところだ。