国内が連休中だった7日、10日の米株式市場でNYダウ平均は計724.06ドル安で、10日で4日続落。先週末に発表された9月の米雇用統計の強い結果を受け連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まり、売りがかさむ展開となった。
ウクライナ情勢の激化を受け地政学リスクの高まりが意識されたことも市場の雰囲気を重くした。ナスダック総合指数は同期間-4.84%だった。米株安を受けた今日の東京株式市場は売りが先行し、日経平均は358円99銭安でスタートした。取引開始後の売り一巡後はやや下げ渋る場面もあったが、午前の中頃からはダウ平均先物が軟調な動きとなったこともあり、積極的な押し目買いは見送られ、下げ幅を広げる展開となった。
香港などアジア株安も投資家心理の重荷となり、日経平均は午後に入って下げ幅を700円超まで拡大した。米政権による中国への半導体輸出の規制強化を受けて東エレクなど半導体関連に売りが優勢だった。米長期金利の上昇につれて、エムスリーなどグロース(成長)株にも売りが強まった。
新型コロナウイルスの水際対策の緩和を受けて百貨店や、陸運株は上昇した。もっとも、中国本土では新型コロナの感染再拡大が伝わっており、「中国からのインバウンド(訪日外国人)需要回復はまだ織り込めない」との見方から、関連銘柄も上値では利益確定売りに押された。