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【大引け概況】


23日の日経平均株価は3日続伸し、前日比153円55銭(0.48%)高の3万2010円26銭で終えた。3万2000円台の回復は15日以来。
 
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朝方はリスク回避ムードにあったが、日経平均は安く寄り付いた後に一貫して戻り足を示した。前日の米国株市場では金融株の下げが目立ち、投資家心理が悪化、NYダウが下値を探る展開となった。これを受けて、東京市場でも主力株中心に売りが先行したものの、下値では空売りの買い戻しや押し目買いニーズが活発だった。アジア株市場は高安まちまちだったが、米株価指数先物が頑強な値動きを示し、これを横目に日経平均も上値を指向する地合いに。米エヌビディアの決算発表やジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控え、後場前半は伸び悩む場面もあったが、引けにかけ買い直された。
 
東証プライムの売買代金は概算で2兆5093億円と4月25日以来およそ4カ月ぶり低水準だった。売買高は10億651万株だった。
 
前日の米ダウ工業株30種平均は続落し、7月中旬以来の安値で終えた。大手格付け会社が一部の米地方銀行を格下げしたのを嫌気し、金融株が下げた。朝方の東京株式市場では運用リスクを回避する売りが先行し、寄り付き直後は日経平均の下げ幅が100円を超える場面があった。
 
売り一巡後は薄商いの中で買いが優勢となり、日経平均も上げに転じた。「節目の3万2000円を下回る場面では、押し目買いが入りやすい」という。取引時間中に米株価指数先物が堅調に推移したことも追い風となった。
 
24日からジャクソンホール会合が開かれ、25日に講演するパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言内容が目先の相場に影響を及ぼしそうで、動きづらい状況だ。また、エヌビディアの決算も控える。前決算発表後、チャットGPT相場の起点となっただけに、今回もエヌビディアの決算を受けた時間外取引の動向などには注意したいところだ。
 
 


東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、11.34ポイント(0.50%)高の2277.05で終えた。JPXプライム150指数は3日続伸し、4.33ポイント(0.43%)高の1016.33だった。
 
東証プライムの値上がり銘柄数は1410と、全体の7割超を占めた。値下がりは354銘柄、変わらずは70銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、非鉄金属、パルプ・紙、電気・ガス業などが上昇。下落は卸売業、鉱業など。
 
個別では、ファストリやダイキン、キーエンスが買われた。長期金利の上昇で三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループなど銀行株が上昇した。中期経営計画を発表したエンビプロHDが急伸し、国内証券が目標株価を引き上げたノーリツ鋼機、関西電力も大幅高。JR東海は株式分割と株主優待拡充が評価され、マツダは26年3月期の米国販売台数目標に関する報道が材料視された。太平洋セメはティー・ロウ・プライス・ジャパンの買い増しが確認されている。
 
半面、東エレクやソフトバンクグループ(SBG)、トヨタが下げた。レーザーテック、ディスコの半導体関連が下落し、ネクステージ、IDOMの中古車関連は大幅安。主要株主による全株式の売出しが嫌気された芝浦メカが急落し、不祥事に伴う社長の辞任を発表したタムロンも大きく下落。業績予想を下方修正した日清紡HDも売られた。