心理的な節目の2万8000円を上回り、昨年来高値を更新。1990年8月8日以来およそ30年5カ月ぶりの高値となった。
前日の米株式相場の上昇を受けて投資心理が強気に傾いた海外勢などの買いが強まった。
米国での政権移行が順調に進み、追加の経済対策が打ち出されるとの期待から、景気の先行きに楽観的な見方が広がった。売り方の買い戻しや債券など安全資産からの資金シフトも巻き込んで上昇が加速した。金利上昇局面では相対的に不利とされてきた半導体関連などハイテク株への買いが目立った。
景気敏感株と位置付けられる電子部品や銀行などに買いが集まった。海外の短期投資ファンドや投資信託などが「積極的に買っていた」とみられる。新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、政府が7日夕に緊急事態宣言を再発令したことを嫌気し、鉄道や航空会社などの株価は軟調だったが、市場全体への影響は小さかった。
午後2時40分台に「東京都 2300人余の(新型コロナ)感染確認 2000人超は2日連続」とのニュースが流れたが、直後の反応は薄かった。なお、この日算出の日経平均先物ミニ・オプション1月限のSQ(特別清算指数)値は2万7774円95銭。
相場の過熱感を指摘する声もあるが「弱気と強気がなお共存しているこの局面ではさらに相場が上がりやすい」という声もあった。米株価指数先物の上昇も買い安心感につながった。
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前日比266.59ポイント高の2万6824.18だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、28.64ポイント高の1854.94で終えた。ともに昨年来高値を更新した。
東証1部の売買代金は概算で3兆1190億円と、2020年11月30日以来の高水準だった。売買高は13億8916万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1725と、全体の約8割を占めた。値下がりは384、変わらずは77銘柄だった。