新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」への警戒が再び意識され、欧米の株式相場が下落した流れから東京株式市場も売りが先行した。下げ幅は300円を超える場面があった。半面、米連邦公開市場委員会(FOMC)通過後の上昇をにらんだ押し目買いが入って午前には小幅な上昇に転じる場面もあった。
英国でオミクロン型の感染者が初めて死亡したことを受け、感染拡大への警戒感が強まった。東京株式市場でも空運や鉄道などリオープン銘柄への売りが目立った。業種別は保険セクターが買いを集め全体指数を下支えしたが、半導体製造装置の主力株が下落したことで地合いが悪化した。
また、岸田文雄首相は14日の衆院予算委員会で、企業の自社株買いに関連してガイドラインを作る可能性に言及したと伝わり、短期筋の仕掛け売りが出たとの見方も出ていた。一巡後は下げ渋ったが、戻りは限定された。14日からFOMCが開催される。米国時間15日午後に公表される決定内容やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見での発言によっては通過後の相場が大きく動く可能性もあり、様子見ムードも強かった。
市場では「日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れ方針を修正した今、日本株買いの最大の主体は事業会社の自社株買いで、需給が悪化する懸念がある」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落した。東証株価指数(TOPIX)は反落し、4.32ポイント安の1973.81で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3251億円。売買高は9億8594万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1317と、全体の約6割を占めた。値上がりは766、変わらずは100銘柄だった。