前日の欧米株市場が総じて軟調だったこともあり、リスク回避の売りに押される展開となった。米国では発表された民間の雇用リポートが好調だったものの、ウクライナ情勢が依然として不透明で利食い優勢の地合いとなった。
東京株式市場でもこの流れを引き継ぎ朝方から軟調だったが、前場取引時間中に、バイデン米政権がエネルギー価格高騰に対応して石油備蓄放出の計画を検討していることが報じられ、原油先物価格の急落を横目に全体相場は一時プラス圏に浮上する場面もあった。
ただ、あすに3月の米雇用統計発表を控え、この結果を見極めたいとの思惑から買いは続かなかった。
31日は幅広い銘柄で利益確定売りが出た。市場では「米長期金利の上昇が一服しているうえ需給イベントを通過したタイミングで、大型株からマザーズ銘柄など小型株に物色の矛先を移す動きがみられる」との指摘があった。
日本時間31日午前に発表となった中国の経済指標をきっかけに、中国景気の減速に対する警戒感が広がった。4月1日に日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)が公表されるほか、日本時間31日夜には米国では米連邦準備理事会(FRB)が重視する物価指標の2月の個人消費支出(PCE)デフレーターの発表を控える。午後にかけては徐々に手控えムードが強まった。
市場では、年度末で見送りムードが強い中、あす4月1日には日銀短観(全国企業短期経済観測調査)の発表も控えることから、「短観の内容を確認してからでも遅くはないとの読みもあるようだ」との声が聞かれた。
3月の日経平均は月間で1294円(4.9%)上昇した。上昇は3カ月ぶりで、上げ幅は2021年9月以来の大きさだった。
JPX日経インデックス400は続落。東証株価指数(TOPIX)は続落し、21.20ポイント安の1946.40で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆2438億円。売買高は13億4043万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1729と、全体の約8割を占めた。値上がりは396、変わらずは51銘柄だった。