寄り付き時点ではリスク選好ムードにあった。日経平均は150円近く上げ、2万6894円と取引時間中としては1991年4月以来の高値を付ける場面があった。
前週末の欧米株市場が総じて高く、NYダウ、ナスダック総合指数ともに過去最高値を更新、NYダウは3万ドルの大台に乗せて引けるなど追い風が強かった。ところが寄り後は買いが続かず日経平均は寄り付き天井で、その後は急速に値を消す展開を強いられた。
香港株や中国株が下落し、米株価指数先物も軟調な動きだったことも日本株の重荷となった。高値警戒感に加え、2万7000円の心理的な節目を前に上値の重さも意識され、これまで上昇してきた主力銘柄に利益確定の売りが広がった。
銀行や素材、小売業など景気動向に敏感な業種を中心に値下がりした。
市場からは日経平均は前週まで5週連続で値上がりしたため、「相場全体で過熱感が強く、売りが出やすかった」という。
また、「今週末に株価指数先物・オプション12月物の特別清算指数(SQ)の算出を控え、売買を手控える動きもあった」との指摘が聞かれた。
一方、中長期的な業績成長への期待が強い電子部品株には海外投資家の注文とみられる買いが入り、市場では「先高期待は衰えていない」と強気な声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比130.81ポイント安の1万6005.73だった。東証株価指数(TOPIX)も5営業日ぶりに反落し、15.19ポイント安の1760.75で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2428億円。売買高は11億6647万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1714と8割近くを占めた。値上がりは395、変わらずは70だった。