新型コロナウイルスの感染者数が世界的に再拡大していることなどを嫌気して日経平均は軟調な展開を強いられた。前日の米国株市場では追加経済対策の早期成立への期待感がやや後退したことを受け、NYダウは安くなったがナスダック総合指数は最高値を更新している。これを受けて、目先バリュー株シフトで押し目を形成していた中小型のグロース株が買い直され全体相場の下値を支える形となった。
下げ幅は朝方に200円を超える場面もあった。米カリフォルニア州の多数の自治体が不必要な外出を禁じる自宅待機命令を発動するなど新型コロナの感染が国内外で拡大傾向にあり、景気が悪化することへの懸念が高まった。米国の追加経済対策の早期成立に向けた動きもなかったことから、空運や石油・石炭製品、輸送用機器など景気敏感株が売られた。
ただ、売り一巡後は下げ渋った。欧米における新型コロナワクチンの供給に向けた動きや菅義偉首相が8日に大規模な財政出動を続けると表明したことも支えとなった。
市場からは「目先的に良い所は大分織り込んだとみられ、短期的な調整局面とみている。ただし、新型コロナウイルスの感染拡大が年末にかけてピークアウトし、ワクチン接種後の効果が期待されれば、来年に向けて上値を試す可能性がある」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落し、終値は前日比33.58ポイント安の1万5972.15だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、1.94ポイント安の1758.81で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆444億円。売買高は10億2991万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は931と4割超を占めた。値上がりは1143、変わらずは105だった。