歯止めがかからない新型肺炎の拡大を受けて、景気悪化懸念が強まった。
円高やアジア株安も投資意欲を冷え込ませ、輸出関連株中心に売りが広がった。投資家のリスク回避姿勢が強まった。前日の19年4〜12月期の主要企業決算の発表を受け先行きへの警戒感からの売りも出た。
寄り付きは94円安で始まった。前日に今期純利益の下方修正を発表したスクリンが一時制限値幅の下限(ストップ安水準)となったほか、前日に今期純利益を上方修正したアドテストも下落し指数を押し下げた。底入れ感が期待されていた主要企業の決算への先行き懸念から、幅広い銘柄に売りが広がった。
日経平均はその後もじりじりと下げ幅を広げ、後場に入って一段安となり、下げ幅は一時490円近い下げに見舞われた。新型肺炎の感染拡大が懸念されて、台湾や香港などアジアの主要株価指数が軒並み大幅に下落。国内外の投資家がリスク回避目的の売りを強めた。
テクニカル面で重要な支持線も下回り、「相場は下降局面に入った可能性が高い」との声が上がっていた。中国での新型肺炎による死者は170人に達し、感染者数は7700人を超えた。底入れ期待が高まっていた企業業績も、発表が本格化している2019年4〜12月期決算を見る限り良好とは言えない。
東証株価指数(TOPIX)も反落し、終値は前日比25.18ポイント安の1674.77だった。JPX日経インデックス400も反落し、終値は前日比223.07ポイント安の1万5004.65だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆5135億円、売買高は13億6771万株だった。大引けでTOPIXの浮動株比率の見直しに伴う売買があった。東証1部の値下がり銘柄数は全体の8割に当たる1819、値上がりは296、変わらずは40だった。