朝方は前日の欧米株安を受けて売り優勢の展開で始まったが、その後日経平均は一貫して下げ渋る展開となり、後場後半には更に下げ幅を縮小、前日終値近辺まで戻してこの日の高値で引けた。前日の米国株市場では新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念からNYダウが一時960ドルを超える下げをみせるなど波乱展開となった。
ただ売りが一巡した後は決算発表で業績が良好だった銘柄を中心に買いが入り、相場の下値を支えた。米大統領選や相次ぐ主要企業の決算発表を前に、積極的な売買を控える雰囲気も広がった。
今期の純利益見通しを前日に上方修正したキヤノンが8%高と急伸。「キヤノンのように業績が堅調なのに株価が割安に放置されている銘柄を物色する『見直し買い』が広がった」と指摘した。
日本の取引時間中に米株価指数先物が堅調だったことも日本株を支えた。
市場からは「下がれば買い意欲が出てくるようだ。日銀のETF買いの可能性はないとは言い切れないが、新型コロナ感染者数は欧米に比べて日本は限定的あり、海外マネーを呼び込みやすい面はあろう。ただ、年内最大イベントの米大統領選挙を控え、どちらかにベット(賭け)はできない」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比14.73ポイント安の1万4553.73だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、1.45ポイント安の1617.53で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆8631億円。12営業日連続で2兆円を割り込んだ。売買高は9億4534万株だった。米大統領選の投開票を翌週に控えて様子見姿勢の投資家が多く、積極的な売買が見送られた。
東証1部の値下がり銘柄数は903と、全体の約4割を占めた。値上がりは1190銘柄、変わらずは85銘柄だった。