前日の米株式市場で、NYダウは522ドル高と3日ぶりに反発し最高値を更新。景気敏感株に加え、半導体株が買われナスダック指数も急反発した。米株高を受け、日経平均株価も値を上げてスタートし、上昇幅は一時800円を超え3万8000円台に迫る場面があった。
日銀は正午前に、金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定したことを発表した。予想通りの結果だったこともあり、市場の反応は限定的だった。ただ、明日からの3連休を前に引けにかけては持ち高調整の売りで伸び悩んだ。半導体や電子部品、銀行、商社株などが買われた。
米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げが今後の米景気を支えるとの見方から前日の欧米株式相場が上昇し、運用リスクを取りやすくなった海外投資家の買いが日本株にも入った。日銀が20日まで開いた金融政策決定会合の結果は現状維持でほぼ無風だったが、大引け後に控える植田和男総裁の会見での発言内容を見極めたいとのムードもあり、後場は上げ幅を縮小した。
FRBが18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の大幅利下げを決めたことで19日の米株式市場では半導体関連を中心に幅広い銘柄へ見直し買いが優勢だった。ダウ工業株30種平均は最高値を更新し、ドイツなど欧州の株式指数も上昇したことから日本株の買いを後押しした。日経平均の上げ幅は800円を超えて、3万8000円台に接近する場面もあった。東エレクはじめ半導体関連などに買いが集まった。
正午前に日銀が発表した金融政策決定会合の結果は現状維持となり、特にサプライズもなかったことから後場も株買いが継続した。もっとも、現状維持は事前の市場予想通りで海外勢の一部は前場に先回りした買いを入れていたため、後場の終盤にかけては利益確定売りで伸び悩んだ。「植田総裁の会見での発言内容で円相場が上下に振れる可能性もあり、様子見ムードが広がりやすかった」との声もあった。
一方、メガバンク株などが一段高となったことで東証株価指数(TOPIX)は後場に上げ幅を拡大した。終値は前日比25.48ポイント(0.97%)高の2642.35と3日続伸した。JPXプライム150指数も3日続伸し、12.98ポイント(1.11%)高の1185.92で終えた。
来週は週末に自民党総裁選を控えているだけに、報道に左右される展開が想定される。現状では、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相に絞られつつあるようだ。石破氏が勝利した場合には株安・円高、高市氏が勝利した場合は株高・円安になるとの見立てが多く、アベノミクス路線を踏襲するのか、それとも決別するのかが最大の争点になりそうだ。