下げ幅は4月1日以来、1カ月ぶりの大きさとなった。東証株価指数(TOPIX)は32.77ポイント安の1431.26と、ともに大幅に反落した。
米経済指標の悪化を受けた米国株安に加え、前日に節目の2万円台を回復していたことで戻り待ちの売りが優勢だった。新型コロナウイルスを巡って米中対立が先鋭化するとの観測が浮上し、買いが手控えられるなか先物の売りで下げ幅を一時600円超に拡大した。
日経平均株価は前日の大幅上昇分をすべて吐き出し、相場格言にある「セル・イン・メイ(5月に売れ)」の展開となった。
米国では高水準にある新規失業保険申請件数や3月の個人消費支出の大幅な落ち込みが確認され、投資家心理が冷え込んだ。新型コロナウイルスの発生源をめぐり、トランプ米政権が中国に貿易面で強硬な姿勢を示す可能性があるとの報道もあり、投資意欲は一段と減退した。
市場からは「きのうは海外での経済活動再開の動きに対し、期待先行で上昇した面があるが、結果的に半値戻りで止められ、きょうは5連休を控えて利益確定売りが出やすかった。国内に材料はなく、連休中に海外市場がどう動くかがカギを握っている」との声が聞かれた。
東証1部の出来高は13億6465万株、売買代金は2兆2980億円。騰落銘柄数は値上がり324銘柄、価下がり1807銘柄、変わらず40銘柄。