日経平均の上げ幅は一時200円に迫ったが、利益確定売りなども依然出やすく、下げに転じる場面も目立った。
前日の米国株市場でNYダウやナスダック総合指数など主要株指数が下落したことを受け買い手控えムードも予想されたが、押し目買い需要旺盛で全体指数も上値指向となった。
バイデン政権の打ち出した大型の追加経済対策による景気浮揚効果や、ワクチン普及加速による経済活動の正常化期待が、東京株式市場でも景気敏感株を押し上げる原動力となっている。
一方で、懸念された米10年債利回りが前日終値ベースで1.40%台まで低下していることで、市場のセンチメントが改善している。取引時間中は中国や香港などをはじめアジア株市場が強い値動きをみせたことや、米株価指数先物が堅調に推移したこともプラスに働いた。
武田薬品工業が米バイオ製薬モデルナのコロナワクチンについて、週内にも製造販売承認を申請する方針を2日に固めたと伝わった。米国ではバイデン大統領が2日の会見で「米国の全成人のコロナワクチンを5月末までに供給できる」との見通しを示した。経済活動の正常化が順調に進展するとの期待から、景気敏感株を中心に買いが広がった。
3日のアジア株や米株価指数先物の堅調な推移も支援材料となった。
もっとも日経平均が2万9500円を上回る水準では、心理的な節目の3万円を意識して利益確定売りや戻り待ちの売りが出やすかった。年度末を控えた年金基金による売りや企業の政策保有株の売りも重荷で、日経平均は下落する場面も目立った。
市場からは「日経平均が3万円に近づけば売りが出てくるが、一方で下がれば買いが入ってくる。ただ、米長期金利の上昇懸念が尾を引き、積極的には動けず、材料待ちの状態だ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比79.90ポイント高の1万7217.21だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、9.69ポイント高の1904.54で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆4664億円。売買高は12億650万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1338と、全体の約6割を占めた。値下がりは776銘柄、変わらずは80銘柄だった。