2月9日(3万6897円)以来、2カ月ぶりの安値をつけた。下げ幅は2021年2月26日(1202円安)以来、3年2カ月ぶりの大きさだった。
前日の米株式市場では、NYダウが小幅に上昇したものの、米長期金利が上昇するなか半導体関連などハイテク株は軟調でナスダック指数は5日続落した。特に、台湾積体電路製造(TSMC)は決算発表を行い、今年の半導体市場の成長見通しを引き下げた。TSMCの米預託証券(ADR)が下落した
これを受け、東京株式市場では半導体関連株が軒並み安となり、全体相場を押し下げた。更に、イスラエルがイランを空爆したと伝わったことから地政学リスクの高まりが警戒され、リスク回避の売りが強まった。
日経平均の下げ幅は1300円を超え、心理的節目の3万7000円を下回る場面があった。値下がり銘柄数は東証プライム市場全体の9割を超え、全面安の展開だった。
市場では「半導体関連株の下落など売る地合いが整っていたところに、中東情勢の緊迫化を伝えるニュースが出たため、売りが売りを呼ぶ展開になった」との声が聞かれた。
さて、東京株式市場は米長期金利の上昇や中東の地政学リスクの拡大を受けて年初からの上昇トレンドが崩れる格好となっている。日経平均が75日移動平均線(3万7889円)を割ってしまったことで中期レベルの基調が転換。トピックスがまだ同線辺りで持ち堪えているが、諸情勢の変化から当面は神経質な展開を強いられるだろう。一方、チャートからは3万6000円辺りは強い支持帯になりそうだ。