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【大引け概況】


7日の日経平均株価は続伸し、終値は前日比414円16銭(1.19%)高の3万5089円62銭で終えた。

 
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函館市金融経済懇談会での内田副総裁のあいさつの内容が午前中に伝わった。7月30~31日の金融政策決定会合後、日銀が今後も利上げを続けるとの警戒感が広がっていたが、内田副総裁の発言内容はハト派色の強いものと受け止められ、市場に一時的に安心感をもたらした。米国の株価指数先物が時間外取引で上昇していたことも、日本株の支援材料となった。
 
日経平均は前日に過去最大の上昇幅を記録していたこともあり、朝方は一時900円を超す下げとなるなど、反動売りが優勢だった。日中の高安値幅は2100円超とボラティリティは高く、短期的な相場の急変に対する投資家の警戒感も強い状況が続いた。短期筋主導の相場展開となるなかで、内田副総裁の記者会見の内容が午後2時半過ぎに伝わった。内田副総裁は追加利上げに関し、個人的には慎重に考えるべき状態だとの認識を示したが、これを受けて買い向かう姿勢は限られた。後場後半に入ると短期筋による利益確定売りが出て日経平均の上値を圧迫した。
 
相場変動率の高止まりで持ち高の変動リスクを回避するための売りも出て、指数の上値は重かった。
外国為替市場で円相場は一時1ドル=147円台後半まで下落し、海外短期筋の株価指数先物買いを誘った。
 
銀行や保険など金融株の上昇が目立ち、東証株価指数(TOPIX)の上昇率は3%を超える場面があった。市場では「8月に入ってからの株価急落と金利の低下(債券価格は上昇)を受け、国内年金の国内株の買い余力が増している」との観測も浮上した。市場予想を上回る四半期決算や自社株買いを発表した個別銘柄の物色も目立った。
 
朝方の日経平均は900円あまり下げる場面があった。前日の日経平均が過去最大の上げ幅を演じたとあって、戻り待ちの売りが先行した。個人投資家から追い証に伴う強制決済の売りがきょうも継続した。相場変動率も高止まりし、持ち高を圧縮するための売りも出て、指数の上値は重かった。
 
 
市場関係者は、「過去、歴史的な乱高下を記録した後は、相場が落ち着くまで3カ月程度を要している」といい、変動率の高さは当面続くとみる。
後場半ば辺りから上げ幅を縮めており、52週線水準まで戻したことで自律反発としての達成感が意識されやすかったと考えられる。また、前日の過去最大の上昇によって、いったんは底入れが意識されてきたものの、決算発表がピークとなるほか、米国市場の底入れが確認できるまでは、短期的な売買が中心になりそうだ。
 
本格化している国内企業の決算については、おおむね堅調な内容が目立っているほか、自社株買いなど株主を意識した企業の行動も継続している。直近の急落でシグナルは悪化しているが、需給整理は一巡しているとの見方から、押し目狙いの買いが入りやすいだろう。
 
TOPIXは大幅に続伸した。終値は55.00ポイント(2.26%)高の2489.21だった。JPXプライム150指数も大幅続伸し、22.50ポイント(2.05%)高の1119.28で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で7兆3744億円。3日連続で7兆円を超える大商いとなった。売買高は32億9536万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1092。値下がりは526、横ばいは28だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は銀行業、精密機器、卸売業が上昇。下落はゴム製品、海運業、石油・石炭製品など。
 
 
個別銘柄では、ディスコが大幅高となったほか、ソシオネクストなど半導体株の一角が上昇。また、ニチレイが決算を材料に買われたほか、三井住友フィナンシャルグループと三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループなどメガバンクが大幅高。りそなHD、みずほFG、ふくおかFGなど銀行株が総じて上昇。このほか、ソフトバンクグループ(SBG)やKDDI、キヤノン、日本製鋼所、IHI、川崎重工が買われた。後場、事業の構造改革を発表した住友化学が一段高となった。
 
一方、第1四半期営業利益が市場コンセンサスを下回ったことでダイキン、リコーが大幅安となったほか、三井化学は、第1四半期業績好調もプラントトラブルの影響懸念などが意識されて売られた。東京エレクトロンやアドバンテストが冴えない展開となった。スクウェア・エニックス・ホールディングスやブリヂストン、住友ゴム工業が売られたほか、このほか、ファストリ、NTTデータグループ、古河電工、AGC、味の素、鹿島建設が下落した。