函館市金融経済懇談会での内田副総裁のあいさつの内容が午前中に伝わった。7月30~31日の金融政策決定会合後、日銀が今後も利上げを続けるとの警戒感が広がっていたが、内田副総裁の発言内容はハト派色の強いものと受け止められ、市場に一時的に安心感をもたらした。米国の株価指数先物が時間外取引で上昇していたことも、日本株の支援材料となった。
日経平均は前日に過去最大の上昇幅を記録していたこともあり、朝方は一時900円を超す下げとなるなど、反動売りが優勢だった。日中の高安値幅は2100円超とボラティリティは高く、短期的な相場の急変に対する投資家の警戒感も強い状況が続いた。短期筋主導の相場展開となるなかで、内田副総裁の記者会見の内容が午後2時半過ぎに伝わった。内田副総裁は追加利上げに関し、個人的には慎重に考えるべき状態だとの認識を示したが、これを受けて買い向かう姿勢は限られた。後場後半に入ると短期筋による利益確定売りが出て日経平均の上値を圧迫した。
相場変動率の高止まりで持ち高の変動リスクを回避するための売りも出て、指数の上値は重かった。
外国為替市場で円相場は一時1ドル=147円台後半まで下落し、海外短期筋の株価指数先物買いを誘った。
銀行や保険など金融株の上昇が目立ち、東証株価指数(TOPIX)の上昇率は3%を超える場面があった。市場では「8月に入ってからの株価急落と金利の低下(債券価格は上昇)を受け、国内年金の国内株の買い余力が増している」との観測も浮上した。市場予想を上回る四半期決算や自社株買いを発表した個別銘柄の物色も目立った。
朝方の日経平均は900円あまり下げる場面があった。前日の日経平均が過去最大の上げ幅を演じたとあって、戻り待ちの売りが先行した。個人投資家から追い証に伴う強制決済の売りがきょうも継続した。相場変動率も高止まりし、持ち高を圧縮するための売りも出て、指数の上値は重かった。