前日の米国株市場でNYダウやナスダック総合指数など主要株指数が揃って堅調だったこともあって、寄り付きは買いが先行したが、その後は一方通行で売りに押される展開となり日経平均は前日終値を下回る水準での推移を余儀なくされた。前日までの4営業日で700円ほど上昇した後とあって、幅広い銘柄に利益確定の売りが出た。
米長期金利の上昇を背景に外国為替市場で円相場は4年8カ月ぶりの円安・ドル高水準まで下落した。輸出関連銘柄の一部では支援材料として意識された半面、原材料などの輸入コストの増加が業績の悪化につながるとの懸念から、鉄鋼やガラス土石製品、パルプ・紙など素材関連や空運の売りにつながった。
しかし、一方で輸入コストの上昇が企業業績に与える影響などが上値を押さえる要因となった。
午前に発表された9月の機械受注統計では、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比で0.0%減だった。QUICKがまとめた民間予測の中央値(1.8%増)を下回り、機械など設備投資関連の一部が下げた。アジア株式市場では香港のハンセン指数が軟調に推移し、国内の投資家心理を冷やした面もある。日経平均の下げ幅は180円を超える場面があった。
市場からは「日経平均3万円は近いようで遠い。米国株高頼みで、国内は材料がなく方向感が出にくい。当面は一進一退とみられるが、いずれは上抜けか下抜けかどちらかの動きが出るだろう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はともに5営業日ぶりに反落。TOPIXは前日比12.49ポイント(安の2038.34で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆7424億円。売買高は11億7339万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1706と、全体の約8割弱を占めた。値上がりは410、変わらずは67だった。