朝方は為替の円安・ドル高を好感し、強含みで取引が始まった。
一時2万2864円33銭(前週末比45円30銭高)を付ける場面があった。
ただ、買いが短時間で一巡する一方、後場にかけ電機などの主力銘柄にまとまった売りが出て、相場全体が売り優勢に傾いた。
後場終盤には2万2693円99銭(前週末比125円04銭安)まで下押した
トランプ米大統領周辺とロシアとの不透明な関係をめぐる疑惑「ロシアゲート」への懸念や、北朝鮮リスクへの警戒感から、利益確定売りに押された。
電機や銀行など主力業種の値下がりが目立ち、市場では「国内外の機関投資家が当面の利益を確保する売りを出した」との話しがあった。
また、8日の株価指数先物とオプションの12月物の特別清算指数(SQ)算出を前に、節目の2万3000円までの上値が重いのをみて短期筋がSQ値を押し下げたいとの思惑から売りを出したとの見方もあった。
JPX日経インデックス400は4営業日ぶりに反落した。終値は前週末比91.17ポイント安の1万5832.47だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、9.66ポイント安の1786.87で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆4096億円と連休の谷間だった11月24日以来の少なさだった。売買高は13億9443万株だった。
東証1部の値下がり銘柄数は1314と全体の64%を占めた。値上がりは645、変わらずは82銘柄だった。
個別では、キーエンスやファナック、村田製に売りが出た。資生堂や塩野義、任天堂も下落した。ペッパーフードサービスが急落、ニッカトー、アルテックなども大幅安。アカツキが安く、オリンパスも売り込まれた。
一方、米原油先物相場が上昇し国際石開帝石やJXTG、住友金属鉱山などの資源株に買いが入った。味の素やソニー、ファストリも上昇した。
SBIホールディングスもしっかり。豊和工業が急騰、石川製作所は一時ストップ高となるなど防衛関連が値を飛ばし、日本エスコンは、ストップ高まで上昇した。ジーンズメイト、ラクーン、東海カーボンなどが大幅高となったほか、ヨータイ、ディア・ライフも高い。
東証2部株価指数は前週末比30.68ポイント高の6923.69ポイントと続伸した。
値上がり銘柄数は212、値下がり銘柄数は251となった。
個別では、櫻護謨が一時ストップ高と値を飛ばした。田辺工業、富士ピー・エス、森組、SYSKENなど30銘柄は年初来高値を更新。自社株買いの実施を発表のソフト99コーポレーション、日本和装ホールディングス、ソマール、ジュンテンドー、川本産業が買われた。
一方、スーパーバッグ、くろがね工作所、Jトラスト、日建工学、ショクブンが年初来安値を更新。児玉化学工業、正興電機製作所、神島化学工業、エンビプロ・ホールディングス、イワキが売られた。