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【大引け概況】


28日の日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、前日比107円37銭(0.41%)安の2万6340円50銭で終えた。
 
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 朝方から広範囲に売りが先行する展開だった。前日の米国株市場では10年債利回りが終値で3.84%台まで上昇し、これを背景にハイテク系グロース株中心に売りが優勢となった。NYダウは小幅プラス圏を維持したものの、ナスダック総合株価指数は反落し、東京株式市場でもハイテクセクター中心に向かい風が意識される地合いとなった。
米国ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の下げが目立ち、東京株式市場でも半導体主力株に売りがかさんだ。米長期金利上昇を受け外国為替市場ではドルが買われ、一時1ドル=134円台まで円安が進行したが、輸出株の中でこれを好感する動きはまばらだった。日経平均の下げ幅は一時250円近くまで広がったが、その後は値ごろ感からの押し目買いが入り下げ渋る動きもみせた。
 
 
日銀が金融緩和策を修正した12月19〜20日開催分の金融政策決定会合の「主な意見」を28日朝に公表。金融緩和について「いずれかのタイミングで検証を行い、効果と副作用のバランスを判断していくことが必要」との意見があり、市場では日銀が近いうちに緩和策の再修正に踏み切る可能性を指摘する声が聞かれた。
 
売り一巡後は下げ渋った。割安感のある水準とみた個人投資家などの押し目買いが入った。きょうは12月期末の配当権利付き最終売買日にあたり、配当再投資に絡んだ先物買いも支えになった。
 
値頃感が働いてもう少しは値を保つものかと思われたが、内外ともに状況が不透明とあってこの年末相場はさえないものとなっている。日経平均の日足チャートは短期的な下げ止まり感は出ているものの、強い反発ができずに底入れ感はあまり出ていない。じわりと円安が進行しているがこれも今のところ追い風とはなっていないようだ。
 
市場からは「戦意喪失の状態だ。下を売り込むのも難しいが、上を買い進むような状況でもない。インパクトのある材料は期待しづらい。中国が経済再開に動くなか、資源が上がり、インフレにつながることが警戒される一方、新型コロナウイルスの感染爆発による影響も依然不安視される」との声が聞かれた。
 
 

東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反落し、終値は前日比1.13ポイント(0.06%)安の1909.02で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で2兆3226億円。売買高は10億4796万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は911、値上がりは826、変わらずは101だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では空運業、不動産業、海運業などが下落した。上昇は保険業、電気・ガス業、鉄鋼など。
 
 
個別では、レーザーテック、東京エレクトロンなど半導体製造装置関連が下げたほか、ファーストリテイリング、メルカリなども安い。ソフトバンクグループ、日本電産なども売りに押された。村田製作所、ZHD、エムスリーも下落した。住友不や三井不も安い。SREホールディングス、スギホールディングスが急落、アイスタイルも大幅安。ラクスも大きく値を下げた。
 
半面、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクが堅調、オリエンタルランドも上昇した。日本製鉄、三菱重工業、川重、IHIが上昇した。資生堂が買い優勢だったほか、ヨシムラ・フード・ホールディングスが急騰、ピックルスホールディングス、TOKYO BASEが大幅高。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、ソースネクストも物色人気。関西電や大ガスも上げた。