8日続伸は5月11〜22日以来。外国為替市場の円安・ドル高進行を追い風に輸出企業の業績改善期待が高まった。原油高から石油関連株なども上昇した。
朝方から買いが先行し途中伸び悩む場面はあったものの、終始3万3000円台をキープし、取引終盤に上げ足を強めた。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて軟調だったほか、米国株市場でも長期金利の上昇を嫌気して、NYダウが200ドル近い下げをみせた。足もとで原油価格が高騰するなか、インフレ警戒感が再燃、FRBによる金融引き締め長期化への懸念が重荷となった。
しかし、日米金利差拡大を背景に外国為替市場でドル買い・円売りの動きが強まり、1ドル=147円台後半まで円安が進んだことで、東京株式市場では輸出セクター中心に株価の下支え材料となった。自動車、電気機器、機械など輸出関連株の買いを後押しした。
今週末の株価指数先物・オプション9月物の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ思惑的な買いが入ったとの見方もあった。市場関係者は「円安進行に加え、米景気が想定以上の堅調さとなり、企業業績の上振れ期待が高まっている」と指摘した。
ただ、アジア株が総じて軟調な推移となっており、東京株式市場も取り立てて買い材料はなく。先物主導のインデックス買いの影響が大きかったようだ。値上がり銘柄数もプライム市場全体の53%にとどまった。
東京株式市場は堅調地合いが続いているが、一抹の不安も残る。前日に総務省が発表した家計調査における実質家計支出は大幅に下振れており、国内景気の先行きに不安感がくすぶる。また、米国経済についてもソフトランディング期待が根強いが、原油などの商品市況の上昇が続けばその前提が崩れかねず、懸念材料となろう。さらに、8月の消費者物価指数(CPI)などの米国の物価統計の発表が来週に予定されており、結果次第では、一気に強気ムードが修正される可能性も残る。