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【大引け概況】



14日の日経平均株価は続伸し、前日比164円62銭(0.62%)高の2万6643円39銭で終えた。

 
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前日の欧米株安を受けて朝方はリスク回避ムードが強かったが、日経平均は下値抵抗力を発揮し、売り一巡後は戻り足となり、前場中盤から上昇に転じた。注目されていた6月の米CPIが市場コンセンサスを上回る高い伸び率を示したが、これを嫌気した米株市場も後半は戻り足をみせていたことで、東京株式市場でも影響は限定的だった。
 
FRBによる金融引き締めが加速するとの思惑が高まるなか、外国為替市場ではドル買いの動きを誘発、1ドル=138円台に入った円安を追い風に輸出株に買いが集まった。特に半導体関連株への買い戻しが目立ち、全体指数に押し上げ効果をもたらしている。
 
前日の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が0.7%高となり、東京市場でも東エレクなど半導体関連銘柄の買いにつながった。このところ下げが続いていた後で、買い直す動きが出やすかった面もあった。
 
空売り比率の相対的に高い海運などにも買い戻しが入った。薄商いのなかでファストリやソフトバンクグループといった主力の値がさ株に買いが入り、指数を押し上げた面もある。
 
市場では「外国為替市場において対ドルで円安が急速に進んだことから、円安メリットが意識され輸出関連銘柄が指数を押し上げた。今後は、円安メリットとされる銘柄も選別色が強まりそう」との声が聞かれた。
 

東証株価指数(TOPIX)は続伸した。終値は前日比4.28ポイント(0.23%)高の1893.13だった。
 
東証プライムの売買代金は概算で2兆2407億円。売買高は9億7278万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1051と、全体の6割弱を占めた。値下がりは697、変わらずは90だった。
 
業種別株価指数(33業種)は水産・農林業、海運業、精密機器、電気機器の上昇率が大きかった。下落は電気・ガス業、空運業など。
 
個別では、キーエンスやレーザーテック、東エレクなどのハイテク株・半導体関連株の一角が大幅高。川崎汽船や商船三井などの海運株も堅調に推移、ファーストリテ、ソフトバンクGなども上昇した。決算が評価されたサカタのタネ、吉野家HD、ウイングアーク1st、Enjin、業績予想を上方修正したプラズマ、トレファク、ノダ、アイドマHDなどが大幅に上げた。EV用ワイヤレス充電を手掛ける米社に出資すると発表したエネチェンジ、九州大学と共同研究契約を締結したHMT、シンガポール社とブロックチェーンゲームの共同事業で基本合意したワンプラなどが物色された。
 
一方、低調な四半期決算を発表したマネーフォワード、TSIホールディングス、業績予想を下方修正したJINSHDなどが下げた。また、ディップ、コシダカHDは決算がサプライズに乏しいことが嫌気された。業績以外の材料では、福島第1原発事故を巡る巨額賠償判決を受け原発再稼働に向けた不透明感が意識された東電力HDが売られた。ジンズホールディングス、日本ペイントホールディングスも大幅安だった。