前日の欧米株安を受けて朝方はリスク回避ムードが強かったが、日経平均は下値抵抗力を発揮し、売り一巡後は戻り足となり、前場中盤から上昇に転じた。注目されていた6月の米CPIが市場コンセンサスを上回る高い伸び率を示したが、これを嫌気した米株市場も後半は戻り足をみせていたことで、東京株式市場でも影響は限定的だった。
FRBによる金融引き締めが加速するとの思惑が高まるなか、外国為替市場ではドル買いの動きを誘発、1ドル=138円台に入った円安を追い風に輸出株に買いが集まった。特に半導体関連株への買い戻しが目立ち、全体指数に押し上げ効果をもたらしている。
前日の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が0.7%高となり、東京市場でも東エレクなど半導体関連銘柄の買いにつながった。このところ下げが続いていた後で、買い直す動きが出やすかった面もあった。
空売り比率の相対的に高い海運などにも買い戻しが入った。薄商いのなかでファストリやソフトバンクグループといった主力の値がさ株に買いが入り、指数を押し上げた面もある。
市場では「外国為替市場において対ドルで円安が急速に進んだことから、円安メリットが意識され輸出関連銘柄が指数を押し上げた。今後は、円安メリットとされる銘柄も選別色が強まりそう」との声が聞かれた。