前日の米国株式市場で長期金利の上昇を背景にハイテク株が下げたのを受け、東京株式市場でもグロース(成長)株を中心に売りが優勢だった。一方、バリュー(割安)株の買いや配当取り狙いの買いなどが下支えし、日経平均株価は前日終値を挟んで方向感を欠いた。
2月ISM製造業景況指数の支払い価格の上昇や連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言による10年債利回り4%乗せが重しとなった。ただ、NYダウ平均は月初に伴う新規買いを支えに小幅ながらプラス圏を回復した。一方で、金利高が重しでナスダック総合指数は−0.66%と続落した。
日経平均株価は48円29銭高からスタートすると、朝方に一時2万7617円80銭(101円27銭高)まで上昇した。引け後に発表された米セールスフォースの好決算を背景に時間外取引のナスダック100先物が上昇していたことや為替の円安が支援した。しかし、午前中ごろからナスダック100先物が下落に転じたことで、日経平均株価も下落に転換した。2万7500円割れからの押し目買いなどで下げ渋ったが、午後はほぼ横ばいに終始した。
為替市場ではドル・円相場が、1ドル=136円60銭前後と、午後2時以降は、やや円安方向に傾いている。東証プライムの出来高は11億1647万株、売買代金は2兆6817億円。騰落銘柄数は値上がり759銘柄、値下がり989銘柄、変わらず87銘柄だった。
市場では「米国金利の着地点が不透明となり、影響を受けやすい日本のグローバル製造業への業績不安から、積極的に買いにくい」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は5営業日ぶりに反落した。終値は前日比3.24ポイント(0.16%)安の1994.57だった。午前に上昇し取引時間中としてはおよそ3カ月ぶりの高値となる場面があったが、続かなかった。