きょうの朝方は売り買いが拮抗した状態でスタートし、日経平均は寄り後一瞬高くなったが、その後は下値を探る展開に。しかし、後場に入ると大口の買いが入り、再びプラス圏に切り返した。取引終盤に手仕舞い売りが出て小幅ながら前週の終値を下回って引けた。
米国株市場では前週末にNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに急落、これを受けて東京株式市場も買い手控えムードが強まったが、好決算を発表した銘柄などを中心に買いが入り全体相場を支えた。一部売りがかさんでいた銘柄には空売りのショートカバーが入り、決算発表通過を契機に大きく株価水準を切り上げるケースも散見された。あすから2日間の日程で行われるFOMCを目前に、売り買いともに積極的にポジションを高める動きは見られなかったが、大型連休の谷間にもかかわらず売買代金は3兆円近くに達した。
発表が本格化した決算を手がかりにした個別物色もみられ、堅調な業績見通しを示した銘柄には買いが入った。
「東京市場は大型連休の谷間にあたるうえ、FOMCも控えていて投資家は手を出しづらい」との声は多かった。
新型コロナウイルス対策としての都市封鎖(ロックダウン)を受けた中国の景気減速に加え、ウクライナ情勢も重荷だ。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアとの停戦協議について29日、「終わる恐れが高い」との認識を示した。
一方で下値は限定的だった。前営業日の4月28日に決算発表の前半のピークを迎えており、堅調な業績見通しや自社株買いなどを発表した銘柄には朝方から買いが入った。村田製やアルプスアル、日立や富士通といった主力株が大幅に上昇。日米の金融政策の方向性の違いから、歴史的な円安水準が続くとの見方も輸出関連株の支えになった。
東証株価指数(TOPIX)は小反落し、終値は前営業日比1.27ポイント(0.07%)安の1898.35で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆9582億円。売買高は11億9420万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は830、値上がりは949、変わらずは59だった。