朝方は売り先行で始まったが、その後は底堅さを発揮しプラス圏に切り返した。先物主導のインデックス買いが寄与し、後場も買い優勢の地合いが続いたが、2万7000円台半ばでは戻り売り圧力も強く取引終盤は伸び悩んだ。前日の欧州株市場が高安まちまちだったほか、米国株市場でも景気敏感株が買われる一方、ハイテク系銘柄の一角が弱い動きでナスダック総合株価指数はマイナス圏で引けるなど方向感のつかみにくい動きとなった。
そうしたなか、東京株式市場では前日までの3営業日で日経平均が約900円上昇しており、足もとやや買い疲れ感も意識される場面だったが、下値抵抗力を発揮する格好となった。前日に売られた鉄鋼株が大きく買い戻されたほか、海運株も強い動きとなり全体相場を支えた。
前日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸した一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は下落した。米景気の減速懸念の後退を背景とした買いが入ったものの、ハイテク株には利益を確定する売りが出た。
一方、午後にかけて株価指数先物に買い戻しが入り、相場を支えた。「経済情勢などに基づいて売買するグローバルマクロ系のヘッジファンドなどが先物に買いを入れた」との声が聞かれた。
前日の通期業績予想の下方修正を発表した日本電産が大幅に反落したことも地合い悪化につながった面もあった。半面、日経平均は連日上昇してきただけに買い遅れている向きも多く、押し目を拾う動きが出たほか、午後に入ると、円相場が1ドル=130円台半ばへ円安方向に振れたことが支援要因となり、自動車や機械といった輸出関連株が堅調に推移したこともプラス材料として受け止められたようだ。
市場からは「後場序盤の一段高は、先物主導によるインデックス買いの影響が大きい。特段の理由は見当たらず、テクニカルや需給面での機械的な買いとみられる。決算シーズン入りで、まずは業績内容を見極めてから動くというのが基本だろう」との声が聞かれた。