朝方からきのう29日の弱い動きが継続。株価指数先物に断続的な売りが出たこともあり、午前9時18分には、同327円39銭安の2万8579円49銭を付ける場面があった。その後は、押し目を拾う動きから下げ幅を縮小した。後場に入り、模様眺めムードが広がるなか、取引終了にかけて売り圧力が強まる格好となり、後場の安値で取引を終えた
東京株式市場が年末年始に休場するのを前に、買い持ち高の縮小が先行した。
休場中に海外発の材料で世界の金融市場の地合いが変化する可能性が意識され、朝方は持ち高調整の売りが優勢だった。「日経平均は2020年まで5年連続で大納会の日に下落していたため、アノマリーとして意識された」との声も聞かれた。
新型コロナウイルスへの警戒感も重荷だった。変異型「オミクロン株」への警戒が強まるなか、国内では29日に報告された新規感染者数が2カ月半ぶりに500人を上回った。足元では帰省する人が増えており、年明け以降の感染者数の増加に対する懸念は根強い。鉄道株をはじめリオープン銘柄の一角には売りが目立った。
ただ、売り一巡後は値を戻した。短期筋が連休を前にショートカバーを進め、日経平均は前日終値近辺まで下げ渋る場面もあった。外国為替市場で円相場が1ドル=115円台前半と円安・ドル高で推移したのも輸出関連株などの支えとなった。
日経平均は年間では1347円54銭(4.9%)上昇した。
市場では「年末年始の休場期間を前に、あえてリスクを取りたくないとして、様子見ムードが広がった」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続落し、前日比6.66ポイント安の1992.33で終えた。JPX日経インデックス400も続落した。
東証1部の売買代金は概算で1兆8438億円。売買高は7億2984万株にとどまった。東証1部の値下がり銘柄数は1333と、全体の約6割を占めた。値上がりは735、変わらずは115銘柄だった。