下げ幅は今年3番目の大きさ。外国為替市場では円相場が1ドル=141円台まで円高・ドル安に振れ、主力の輸出関連株をはじめ幅広い銘柄が下落した。日経平均の下げ幅は一時2000円を超えた。
きょうはリスクオフ一色の展開となり、値下がり銘柄数は1500を上回り、プライム市場全体の92%を占める文字通りの全面安商状となった。前週末の欧米株市場は総じて高く、ドイツの主要株価指数であるDAXが史上最高値を更新したほか、米国でもNYダウが最高値街道に復帰するなど強調地合いとなっている。アジアでは中国・上海総合指数や香港ハンセン指数などが急騰をみせ、世界的にも投資マインドは強気に傾いている。しかし、東京市場だけは別世界で、外国為替市場の急激な円高などの影響でリスク回避ムードが強まった。前週末27日に投開票された総裁選で石破茂氏が勝利を収めたことで、これまで買われてきた高市関連銘柄をはじめ幅広い銘柄に売りがかさむ格好に。石破新総裁は金融所得課税の強化など財務省寄りの政策に言及していたこともあってそれを警戒する売りが噴出した。
東証プライムの値下がり銘柄数は全体の9割を超え、全面安の展開だった。自民党総裁選の投開票が進んでいた27日の株式市場では、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の継承を掲げる高市氏の勝利が意識され、円安・株高の持ち高を形成する動きが活発だった。日経平均は27日までの続伸で2000円近く水準を切り上げていただけに、相場の過熱感を警戒した売りも出やすかった。
石破氏は投資家や企業への課税強化に対して前向きな姿勢を示していたことから、市場では経済政策への警戒感が強い。石破氏は日銀の独立性の尊重を明言しており、外為市場で日銀の追加利上げを意識した円買い・ドル売りが入りやすかったことも日本株相場の重荷だった。14時すぎに円相場が141円台に上昇すると、海外ヘッジファンドなどの短期筋は円安・株高の持ち高を解消する目的で断続的に株価指数先物に売りを出し、先物主導で株安に拍車がかかった。日経平均は月間では728円20銭(1.88%)下落した。下落は3カ月連続。