日経平均株価は前営業日比110円74銭高の2万1678円26銭、東証株価指数(TOPIX)は6.58ポイント高の1725.88と、ともに反発。
前週末の米株急落を受け、朝方は売りが優勢だったが、トランプ米大統領が現地8日にツイッター投稿で中国の知的財産侵害に対する制裁関税をめぐり、交渉での紛争解決に意欲を表したと伝えられ、米中貿易摩擦への警戒感が後退し、持ち直しの動きにつながった。
対ドルでの円伸び悩みや、時間外取引での米株価指数先物高を支えに上げ幅を拡大し、後場後半には一時2万1737円09銭(前週末比169円57銭高)まで上昇する場面があった。花王や資生堂など業績が景気動向の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄には国内外から資金が流入した。
その後は上値が重くなったが、大引けにかけて2万1600円台後半で推移した。
市場からは「機関投資家の新規マネー流入観測も出ているが、下値は着実に堅くなってきている。ただ、現状の為替相場は3月日銀短観の想定レートよりもドル安・円高に水準にあり、19年3月期業績予想が控えめになるリスクがあり、なかなか上には行けない」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発した。終値は前週末比57.82ポイント高の1万5271.88だった。
東証1部の出来高は13億9023万株、売買代金は2兆2652億円。騰落銘柄数は値上がり1117銘柄、値下がり873名柄、変わらず91銘柄。
業種別株価指数(33業種)は、水産・農林業、パルプ・紙、保険業、電気・ガス業などが上昇。石油・石炭製品、ゴム製品などは下落。
個別では、不動産株が高く、住友不や菱地所、三井不が上昇した。三菱UFJ、三井住友など銀行株が堅調で、マネックスGはにぎわい、T&DとMS&ADが値を上げた。
ファーストリテが小高く、資生堂、東電力HD、サカタタネ、王子HD、任天堂、トヨタ、ソニーも上昇した。
半面、キーエンス、ファナック、コマツ、安川電が売られ、ブリヂストンは続落。JXTG、国際帝石、三菱商が値を下げ、楽天とソフトバンクG、7&iHDも安かった。
東証2部株価指数は前週末比15.04ポイント高の7100.79ポイントと反発した。値上がり銘柄数は215、値下がり銘柄数は226となった。
個別では、アルトナー、カワニシホールディングス、ジャパンミート、サイオス、東亜石油など9銘柄が年初来高値を更新。要興業、パシフィックネット、岡本工作機械製作所、ラピーヌ、富士ピー・エスが買われた。
一方、スリープログループ、日本食品化工、バナーズ、Oak キャピタル、新内外綿など36銘柄が年初来安値を更新。くろがね工作所、アイケイ、アオイ電子、日建工学、リヒトラブが売られた。