朝方は前日の米国株高を反映して強含む銘柄が多かったが、寄り付きの売買が一巡した後は円高が業績悪化につながる輸出関連株を中心に売りが厚みを増した。時間外取引で米株先物が下落したことも、東京株式市場の株売り要因となった。
また、中国の人民解放軍が26日、中国本土から南シナ海に向けて中距離弾道ミサイルを発射したと伝わっており、米中対立の懸念から手じまいの動きが出た。
カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え、いったん利益を確定しようとの動きが優勢だった。
株価が下落するにつれて売り注文は少なくなった。「個人や投資ファンドなど短期投資家以外に目立った売り手はいなかった」とみられる。
市場では「安倍晋三首相が28日にも記者会見を開く見込みで、今後の政策運営に対する期待や、自身の健康問題に言及する可能性などもあり、手控えにつながったようだ」との見方があった。
JPX日経インデックス400は続落し、終値は前日比74.38ポイント安の1万4574.08だった。東証株価指数(TOPIX)は続落し、8.59ポイント安の1615.89で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆7234億円。売買高は9億2362万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1287と、全体の約6割を占めた。値上がりは805、変わらずは80だった。