前週末の欧米株市場がほぼ全面高に買われたことを受け、リスク選好の地合いとなった。朝方は外国為替市場のドル安・円高などを横にらみに強弱観を対立させる場面もあったが、徐々に買い板が厚くなった。
米景気減速への警戒感が強まる一方で、FRBの金融引き締めピッチが緩むことへの期待が買いの拠りどころとなっている。2万8000円大台近辺では目先利益確定の売りが優勢となるのは相変わらずだが、きょうは2万8000円台こそ回復できなかったものの、2万7900円台で高値引けとなり、6月上旬以来約2カ月ぶりの高値圏に浮上した。
半導体関連を中心に直近の好決算銘柄や、これから決算発表を控える銘柄に先回りした買いが広がった。
日経平均は株価指数先物に連動しながらじわじわ上げ幅を拡大する展開となった。米国で米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを鈍化させるとの観測が広がるなか、短期的な株高期待が意識された。中国の経済指標は悪化したが、上海総合指数などが比較的底堅い動きとなったのも心理的な支えになった。
市場からは「決算にらみの展開ながら、全体的には上値で利益確定売りが出やすく、下値では押し目買いが入ってくる。米利上げペースの鈍化観測からグロース(成長)株が強いが、その動きが継続するかは不透明だ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、前週末比19.80ポイント(1.02%)高の1960.11で終えた。