朝方は売りが先行し日経平均は2万8000円台を割り込んでスタートした。前日の米国株市場では、朝方発表された3月の米消費者物価指数(CPI)は一段のインフレを示唆するものではなく安心感が広がったが、NYダウは上昇してスタートしたものの、その後は軟化した。米景気減速への懸念が上値を重くしている。東京株式市場では軟調な米株市場の地合いを引き継いで、寄り付きは利食い圧力が意識されたが、その後は押し目買いが優勢に変わり、前場後半に日経平均は小幅ながら上昇に転じた。後場に入っても強調展開が続き、結局この日の高値近辺で引けている。
米景気の先行き懸念から朝方は幅広い銘柄で売りが先行したが、徐々に下げ渋って上昇に転じた。米物価指標が市場予想を下回り、利上げ長期化の観測が和らいだ。東京市場では値がさのグロース(成長)株の一角が買われて相場を押し上げた。
12日発表の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、インフレ鈍化が示されたとの受け止めが広がった。日本時間13日の取引で主要なハイテク株で構成する米ナスダック100株価指数の先物が上昇したことも背景に、グロース株のなかでもクオリティー(優良)株とされる銘柄などが買われた。
一方、12日に公表された3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、金融不安による米経済下振れリスクに言及されたことで、景気敏感株には売りが目立った。銀行や保険などの金融株は軟調に推移した。
東証株価指数(TOPIX)は小幅に5日続伸し、1.01ポイント(0.05%)高の2007.93で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆4060億円。売買高は9億7229万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は943と、全体の約5割だった。値下がりは786、変わらずは106銘柄だった。