日経平均が節目の2万1500円を下回ったのは9日以来、1週間ぶりとなる。
終始リスク回避の売りに押される展開を強いられた。
前週末の米国株市場ではNYダウが続伸しナスダック指数も小幅ながら反発したが、反応は限定的。「森友学園」への国有地売却に絡む決裁文書の書き換え問題から安倍政権の支持率が急低下したことが、相場全般にネガティブに作用した。
「安倍首相の退任につながりかねない」との警戒感が市場の一部で浮上し、海外投資家などから売りが膨らんだ。日経平均の下げ幅は300円を超える場面もあった。
外国為替市場で1ドル=105円台後半の推移と円高に振れたことも投資家心理を冷やした。
今週予定されるFOMCでのパウエルFRB議長の記者会見を見極めたいとの思惑や参院予算委員会での集中審議をにらみ、様子見の投資家も多かった。このため東証1部の売買代金は概算2兆1678億円と今年最低だった。
東証株価指数(TOPIX)が午前に大きく下げたため、日銀が上場投資信託(ETF)買いに動くとの見方も相場を下支えした。
JPX日経インデックス400は前週末比142.47ポイント安の1万5216.66と続落した。TOPIXも16.66ポイント安の1719.97で続落した。
東証1部の売買高は12億663万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1710、値上がり311、変わらず50だった。
業種別株価指数(全33業種)はその他製品、電気機器、銀行業、情報・通信業などが下落し、鉱業だけが上昇した。
個別では、住友鉱と日東電が下落した。ダイキンと住友電も安かった。任天堂が軟調、ソニーも売りに押された。安川電機、キーエンスも下落した。ヤクルト本社が安く、三菱商事も軟調。サイバーコム、エスケイジャパンなどが急落、北沢産業も大きく利食われた。
一方、アステラスと関西電は上昇した。ファナックとソフトバンクも高かった。
島精機製作所も買い優勢だった。アルテックが急伸、AGSも値を飛ばした。オハラ、バロックジャパンリミテッドなどが物色人気となり、オプトホールディング、ペッパーフードサービスなども上昇した。
東証2部株価指数は前週末比89.98ポイント安の7318.14ポイントと8日ぶり反落した。値上がり銘柄数は111、値下がり銘柄数は366となった。
個別では、ジオスター、瑞光、Casa、ヨネックス、ビート・ホールディングス・リミテッドが昨年来安値を更新。ファステップス、エルナー、インスペック、日本抵抗器製作所が売られた。
一方、桧家ホールディングス、アイスタディ、ファーマフーズ、ICDAホールディングス、古林紙工など11銘柄が昨年来高値を更新。ケー・エフ・シー、森尾電機、浜井産業、青山財産ネットワークス、要興業が買われた。
19日に東証2部に新規上場した共和コーポの初値は公開価格(1590円)を58%上回る2511円だった。終値は初値に比べ395円安い2116円だった。