トランプ米大統領が5日、「極めて良い話し合いをしている」と述べるなど、米中両国幹部から協議進展に前向きな発言が相次いだ。日本政府が決めた総事業規模26兆円の経済対策も引き続き評価され、「想定以上に強い地合い」との見方が広がった。
日経平均は午前に一時、上げ幅を100円超まで拡大した。
経済対策の関連銘柄に加え、米中摩擦など外部要因の影響を相対的に受けづらい内需株との位置付けから小型株を選好する動きが目立った。東証1部の規模別指数では「大型」が前日比でほぼ横ばいにとどまった半面、「小型」は0.5%上昇して終えた。
ただ、米中貿易交渉を巡る不透明感は根強く、11月の米雇用統計の発表を控えた週末でもあり、積極的に上値を追う動きは限られた。
買い注文が一巡した後は、伸び悩む展開となった。東証1部の売買代金も2兆円を大きく下回る低調な商いで、投資意欲の盛り上がりは欠いた形だ。
来週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催や英総選挙が予定されるほか、「最大の注目ポイント」となる米国の対中追加関税発動期限など重要日程が目白押し。
結果を見極めるまでは「慎重にならざるを得ない」のが実情と言えそうだ。
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前日比13.78ポイント高の1万5301.35だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、1.95ポイント高の1713.36で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆7909億円と活況の目安である2兆円を3営業日ぶりに下回った。売買高は10億5492万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は全体の6割に相当する1308、値下がりは737、変わらずは112銘柄だった。