きょうはリスク選好ムードのなか始まり、朝方は半導体関連株などが買われ、日経平均は上値指向をみせたが、その後は同関連株に値を崩す銘柄が相次ぎ全体指数もマイナス圏に沈む場面があった。前日は欧州株市場で主要国の株価が総じて高かったほか、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに小幅ながら上昇した。これを受け東京市場でもセンチメントが改善、幅広い銘柄に買いを誘導したが、買い一巡後は戻り売り圧力が表面化した。きょうの米国株市場は奴隷解放記念日の祝日に伴う休場となることで、海外投資家の参戦が限定的となり、市場エネルギーの減少も上値を重くしている。今週末に5月の全国消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、内需株への積極的な買いも入りにくかった。
前日の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が最高値を更新するなど米ハイテク株高を受けた買いが一巡した後、日経平均は失速した。半導体関連ではアドテストが上昇した一方で、東エレクやディスコは下落した。きょうは奴隷解放記念日(ジューンティーンス)の祝日で米全市場が休場とあって手控えムードが広がりやすかった。レンジ相場が続くなかで上値の重さを嫌気した利益確定売りが出やすかったほか、信用取引の買い残高の積み上がりによる需給悪化を懸念する向きもあった。
19日の米国市場は休場となるだけに、積極的に上値を買い上がる雰囲気にはつながっていない。また、欧州の政局不安によるリスク回避の動きも一巡し、投資家の関心は再び企業業績に移ってきているとみられる。企業業績は製造業を中心に堅調に推移するとみられているが、実際に四半期決算を確認し、業績向上への期待が膨らむまでは積極的に上値を追う動きとなるのは難しいのではないかとの指摘も聞かれる。このため、こう着感の強い相場展開がしばらく続きそうだ。