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【大引け概況】


19日の日経平均株価は続伸し、終値は前日比88円65銭(0.23%)高の3万8570円76銭だった。

 
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きょうはリスク選好ムードのなか始まり、朝方は半導体関連株などが買われ、日経平均は上値指向をみせたが、その後は同関連株に値を崩す銘柄が相次ぎ全体指数もマイナス圏に沈む場面があった。前日は欧州株市場で主要国の株価が総じて高かったほか、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに小幅ながら上昇した。これを受け東京市場でもセンチメントが改善、幅広い銘柄に買いを誘導したが、買い一巡後は戻り売り圧力が表面化した。きょうの米国株市場は奴隷解放記念日の祝日に伴う休場となることで、海外投資家の参戦が限定的となり、市場エネルギーの減少も上値を重くしている。今週末に5月の全国消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、内需株への積極的な買いも入りにくかった。
 
前日の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が最高値を更新するなど米ハイテク株高を受けた買いが一巡した後、日経平均は失速した。半導体関連ではアドテストが上昇した一方で、東エレクやディスコは下落した。きょうは奴隷解放記念日(ジューンティーンス)の祝日で米全市場が休場とあって手控えムードが広がりやすかった。レンジ相場が続くなかで上値の重さを嫌気した利益確定売りが出やすかったほか、信用取引の買い残高の積み上がりによる需給悪化を懸念する向きもあった。
 
19日の米国市場は休場となるだけに、積極的に上値を買い上がる雰囲気にはつながっていない。また、欧州の政局不安によるリスク回避の動きも一巡し、投資家の関心は再び企業業績に移ってきているとみられる。企業業績は製造業を中心に堅調に推移するとみられているが、実際に四半期決算を確認し、業績向上への期待が膨らむまでは積極的に上値を追う動きとなるのは難しいのではないかとの指摘も聞かれる。このため、こう着感の強い相場展開がしばらく続きそうだ。

 

東証株価指数(TOPIX)は続伸した。終値は12.88ポイント(0.47%)高の2728.64だった。JPXプライム150指数も続伸し、3.92ポイント(0.33%)高の1203.20で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆3474億円、売買高は13億6219万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1028と全体の約6割だった。値下がりは573、横ばいは44だった。
 
業種別株価指数(全33業種)は保険業、輸送用機器、不動産業などが上昇。下落は海運業、小売業、繊維製品など。
 
個別では、ソフトバンクグループが商いを伴い堅調、三菱重工業も証券会社のポジティブなレポート発表を受けて買い優勢となり年初来高値を更新。アドバンテストが値を上げ、日立製作所も買われた。トヨタ自動車が高く、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株も頑強だった。藤田観光は前日のストップ高に続く急騰、25年3月期の株主還元を拡大するとの報道を材料に三菱自動車工業も活況高となった。
ユニチカが商いを膨らませ急動意、アシックスも値を飛ばした。このほか、日東電工、TDK、太陽誘電などアップル関連が引き続き強い。
 
 半面、売買代金トップとなったディスコが下落、売買代金2位のレーザーテックも冴えない。東京エレクトロン、ソシオネクスト、SCREENホールディングスなども軟調だった。資生堂が大きく株価水準を切り下げ、FPパートナーはストップ安、K&Oエナジーグループ、ヤーマンが大幅安となった。このほか、インフォコム売却で業績を修正した帝人が売られた。資生堂、三越伊勢丹HDなどインバウンド関連の一角がさえない。また、商船三井、川崎汽船、日本郵船など海運株も売り優勢となった。