前日まで急ピッチで上昇してきた反動で利食い優勢の地合いとなり、日経平均株価は今週に入って初めて安く引けた。前日は今年最大の上げ幅で3万3500円台まで一気に水準を切り上げたが、きょうは米長期金利の上昇などを背景に様子見ムードが強まり、小売や医薬品、食料品など内需株中心に売りがかさんだ。
ただ、外国為替市場でドル高・円安が進んだこともあって半導体関連など主力ハイテク株は頑強な値動きを示すものが多く、全体指数を支える格好となった。結局、日経平均の下げは100円未満と小幅にとどまっている。
前日まで日経平均は3日続伸し、15日は今年最大の上げ幅となっていた。きょうは主力の半導体関連を中心に利益確定売りが出やすかった。16日にアジア株や米株価指数先物が軟調に推移したことも日本株の重荷となった。午前に下げ幅は200円を超えた。
午前には上昇する場面もあった。前日の米株式市場で主要株価指数が上昇したことが追い風になった。外国為替市場で前日に比べて円安・ドル高が進み、自動車など輸出関連の一角に採算改善を意識した買いが入ったことも支えになった。午後にかけては下げていた主力の半導体関連に買いが入り、日経平均は下げ幅を縮小した。
今月に入り9%近く上昇しているため、当然の一服とみる向きが多い。また、米中関係悪化に関するヘッドラインを受けて、利食い売りが出たが、目先の過熱感が解消されれば、再び日経平均は、7月に記録した年初来高値更新を目指す動きになっていくことになるだろう。また、国内主要企業の決算発表が一巡し、改めて堅調な企業業績への期待感も台頭し始めており、株価水準が下がったところでは、押し目狙いのスタンスで望みたい。
市場では「下値では押し目を拾う動きが出て、下げ幅縮小の動きにつながったようだ」との声が聞かれた。