9月10日以来約1カ月ぶりの安値となり、下げ幅は今年3番目の大きさだった。
10日の米国株の急落で投資家心理が悪化した。米国では、金利の上昇傾向が資金調達コストをかさませることで、企業業績の先行きに不透明感が強まった。金利高により、投資資金が新興国から米国に流れる可能性もあるため、金融市場の混乱も警戒される状況だ。
世界的なリスク回避ムードの高まりに東京市場ものみ込まれる形なり、日経平均は下値を模索する動きを強めた。
中国・上海などアジア各国・地域の株式相場も軒並み大きく下落し、世界同時株安の様相を強めた。為替の円高・ドル安も売り材料となり、日経平均の下げ幅は1000円を超える場面があった。精密機器や機械といった中国関連株を中心に全面安の展開だった。
ドル・円が1ドル=112円10銭台(10日終値113円07-08銭)に進んだことも重しとなった。東証1部の出来高は19億5248万株、売買代金は3兆7587億円。
騰落銘柄数は値上がり56銘柄、値下がり2050銘柄、変わらず4銘柄だった。
市場では「19年3月期第2四半期(18年4-9月)の決算発表を控え、積極的にポジションを取りづらいなか、大幅な下げとなったことで、見切り売りを誘ったようだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は大幅反落。終値は前日比557.16ポイント安の1万5080.78だった。東証株価指数(TOPIX)も大幅に反落し、62.00ポイント安の1701.86で終えた。
業種別株価指数(33業種)では、石油・石炭製品、鉱業、機械、精密機器を中心に全業種が下落した。
個別では、ファーストリテ、ファナックやソフトバンクが売られた。ソニーや任天堂、ファナック、キーエンス、三菱UFJも下落した。JXTGが下押し、国際帝石も下落した。テルモ、HOYAが値を下げ、SMCも大幅安、資生堂、JTもさえない。
一方、ドンキHDが売買代金を伴い逆行高、技研製作所も大幅高で値上がり率断トツ。イオンモールは買われた。大和ハウスは日経平均採用銘柄で唯一上昇した。ABCマート、ミニストップも大幅高となった。コジマも物色人気。コメダホールディングス、しまむらなども買い優勢の展開だった。
東証2部株価指数は前日比203.91ポイント安の7096.06ポイントと反落した。
出来高1億3416万株。値上がり銘柄数は33、値下がり銘柄数は439となった。
個別では、アイケイがストップ安。南海辰村建設、高田工業所、フジ日本精糖、フルスピード、ブルボンなど97銘柄は年初来安値を更新。マルマエ、ビットワングループ、岡本工作機械製作所、スマートバリュー、ピクセラが売られた。
一方、東海汽船が年初来高値を更新。萬世電機、日本製罐、ノダ、マーチャント・バンカーズ、小島鉄工所が買われた。