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【大引け概況】


9日の日経平均株価は反発し、終値は前日比340円42銭(0.87%)高の3万9277円96銭だった。
 
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 前日の米株式市場でハイテク株が買われ、NYダウが126ドル高と上昇した。特に、エヌビディア<NVDA>などの半導体株が人気となった。これを受けた東京株式市場も堅調にスタートし、日経平均株価の上昇幅は一時500円を超え3万9400円台まで値を上げた。為替相場が1ドル=148円台半ばへ円安が進んだことも好感された。前引けにかけ上昇幅が縮小する場面もあったものの、後場に入り再び買い直された。半導体関連株が上昇した一方、石油関連株などが軟調だった。
 
8日の米ハイテク株高を受けて、アバンテストが上場来高値を付けるなど、半導体関連株への買いが強まった。外国為替市場での円安進行も支援材料になった。買い一巡後には戻り待ちの売りに押されて伸び悩んだが、中国の財政政策への期待が高まると午後に持ち直した。
 
中国当局が12日に財政政策に関する記者会見を開く見通しだと伝わった。藍仏安財政相が「財政政策の調整強化や、質の高い経済発展の促進」について説明するという。報道を受けて9日の香港ハンセン指数が上昇に転じるなか、東京株式市場では安川電やファナック、ニデックといった中国関連とされる銘柄が買い直され、資生堂への買いも強まった。
 
8日の米株式市場でナスダック総合株価指数が上昇。9日午後には半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC、@2330/TW)が、9月の月次売上高が前年同月比39.6%増になったと発表した。こうした背景から、9日の東京市場では東京エレクトロン、レーザーテクなどの半導体関連株の一角が一段高となった。
 
日経平均は上値が重くなる場面もあった。当面の上値メドとしては、9月27日に付けた終値(3万9829円56銭)が意識されている。9月27日は、自民党総裁選で「アベノミクス」の継承を掲げる高市早苗経済安全保障相の勝利を想定した「高市トレード」で急上昇した局面だった。
市場では「戻ったところで売りたい投資家は多く、上値追いのハードルは高い」との指摘があった。
 
さて、東京株式市場は米株高、円安という外部環境に乗って日経平均が反発へ。原油相場が下げたこともひとつの安心材料となっている。解散総選挙が材料となっていないのは政策がほぼ語られていないことがひとつの理由に。与党が議席を減らすことで国政の不透明感が出ていることもあるだろう。今後は米国のインフレ指標の落ち着きが確認できれば4万円を目指す展開となりそうだ。
 
 

東証株価指数(TOPIX)も反発した。終値は8.09ポイント(0.30%)高の2707.24だった。JPXプライム150指数も反発し、6.55ポイント(0.54%)高の1221.41で終えた。東証プライムの売買代金は概算で3兆6430億円、売買高は15億8338万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は886。値下がりは720、横ばいは39だった。
 
業種別株価指数(33業種)は小売業、電気機器、機械などが上昇。下落は鉱業、保険業、鉄鋼など。
 
個別銘柄では、買収提案しているカナダ企業が価格を引き上げると報じられたことでセブン&アイ・ホールディングスが一時前日比12%ほど急騰し年初来高値を更新した。また、米エヌビディアの上昇を受けて、レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロン、スクリーンHD、ディスコが高く、アドバンテストが上場来高値を更新した。三菱重工業、川崎重工業、IHIが買われ、ソフトバンクグループやファーストリテイリングがしっかり。このほか、フジクラ、ニトリHD、資生堂、ZOZO、キヤノンなどが上昇した。
 
一方、サウジアラビア政府系ファンドが一部売却したことが判明したことで任天堂やネクソンといったゲーム株が下落した。また、原油価格の下落を受けて、INPEX、出光興産、出光興産など資源関連銘柄の一角も弱いほか、三井物産、丸紅、三菱商事など商社株も売られた。トヨタ自動車やホンダが安く、三越伊勢丹ホールディングスが値を下げた。このほか、住友化学、東海カーボン、日本製鉄、JFEホールディングスなどがさえない。