朝方は前日終値を上回って推移する場面もあったが、徐々に売りに押される展開で後場に入っても水準を切り下げた。前日の米国株市場でNYダウが一時300ドルを超える急な下げをみせるなど、不安定な動きをみせたことから再び警戒感が強まった。
中国の李克強(リー・クォーチャン)首相が景気の下押し圧力の強まりを認めたと伝わり、18日の上海総合指数は取引時間中として約3年11カ月ぶりの安値圏に下落。
韓国や香港など他のアジア株も総じて下げ、日本株にもリスク回避目的の売りが強まった。
中国景気減速の悪影響を受けやすいとの見方からファナック、安川電といった電機株が売られ、機械株の下げも目立った。
朝方発表の9月の貿易統計(速報、通関ベース)で輸出額は前年同月比で22カ月ぶりに減少。日銀は18日発表した10月の地域経済報告(さくらリポート)で全9地域のうち北海道と中国の2地域の景気判断を引き下げた。ともに地震や豪雨など自然災害の影響が出たが、国内経済の先行きに対する不安が株式への売りを促した面もある。
JPX日経インデックス400も3日ぶりに反落し終値は前日比90.08ポイント安の1万5105.55。東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりの反落で9.23ポイント安の1704.64で終えた。
市場では「大きく下落した後の戻りを試す場面にあるが、中国の上海総合指数が反落したことや、19年3月期第2四半期(18年4-9月)の決算発表を控え、様子見気分が広がった」との声が聞かれた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2700億円と、9月11日以来およそ1カ月ぶりの低水準だった。売買高は12億2855万株。
東証1部の値下がり銘柄数は1313、値上がりは709、変わらずは87だった。
業種別株価指数(33業種)は、石油・石炭製品、鉱業、化学の下落が目立った。上昇はパルプ・紙、電気・ガス業、不動産業など。
個別では、ソフトバンクグループが軟調、ファーストリテイリングも安い。ファナック、キーエンスも値を下げた。安川電機、SMCや資生堂、コマツも下落した。も安い。KYBが急落で下値模索が続き、田淵電機も大きく利食われた。ブレインパッドが下落、JXTGや国際石開帝石が安い。出光興産、昭和シェル石油など石油株の下げも目立つ。スルガ銀行も売られた。
半面、トヨタ自動車がプラス圏を維持し、武田薬品工業も堅調に推移。米長期金利の上昇で運用環境が改善するとの期待から三菱UFJやT&Dといった金融株の一角が上昇。JT、ユニファミマやKDDIも上げた。ネオスが急騰したほか、ソースネクストも値を飛ばした。セラクが買われ、ワコムも物色人気となった。ワールド、クラリオン、IDOMなども買いが優勢だった。
東証2部株価指数は前日比14.43ポイント高の7230.86ポイントと3日続伸した。
出来高8427万株。値上がり銘柄数は222、値下がり銘柄数は215となった。
個別では、マックスバリュ東北、インテリジェント ウェイブ、トーヨーアサノ、富士ソフトサービスビューロ、D.A.コンソーシアムホールディングスなど6銘柄が年初来高値を更新した。
パス、ウインテスト、アイケイ、森組、TBグループが買われた。
一方、トーヨーアサノが一時ストップ安と急落した。ブルボン、日本食品化工、バナーズ、サイボー、ロンシール工業など15銘柄は年初来安値を更新した。
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス、ピクセラ、キャピタル・アセット・プランニング、アウンコンサルティング、ビート・ホールディングス・リミテッドが売られた。